10/5/2024, 10:05:13 AM
星座
星をガラスのコップに浮かべて飲み干すようなおまじないに
私はいつか文字を辿っていた
それはまるで一つ一つ紡がれてゆく言葉のように
その言葉を表すための記号でしかないのだと
私はいつか気付いて
びいどろを割った破片が光を反射して
虹色に輝くような空を
私はなぞり
昔ここで同じように空をなぞった人に
88の言葉を送りたかった
私は星座のように
繋がり紡ぎ煌めき
星のようにはなれず
私は泣いた
10/3/2024, 2:00:45 PM
巡り会えたら
「人は生まれて、死んでゆくそうだ」
無数の細胞の海を越え
私たちは命を継ぎ、継がれ
奪い、奪われ
そうして枯れてゆく
名を持たない肉体の中には
名を持つ魂が宿り
そうして咲いてゆく
「じゃあ、死んだら何も無いってことか?」
「いいや」
「ならどうやってここに戻るんだ?」
「なあ、お前は故郷を覚えているか?」
「ああ、勿論だ」
「なら、戻ってこられるさ」
10/3/2024, 12:47:37 AM
奇跡をもう一度
あのときさわった、いきものの名まえをしらないので
わたしは人にきいた
あの時見たあの雲の名前をおぼえていないので
わたしは辞書を開いた
あの時聞いた曲を知らなかったので
私はスマホを開いた
聞いても調べても、なにをしても
あの感動は、私の手の中に残って
雪と共に溶けていく
10/1/2024, 2:01:27 AM
きっと明日も
わたしに明日が来ますように
9/30/2024, 12:53:08 AM
静寂に包まれた部屋
音も聞こえず
目も見えず
微かに頬を撫でる光を頼りに
純白に包まれた尊い命は
こうして生まれる