おいかわ

Open App
10/9/2022, 4:04:22 AM

ペンを置いて、疲れ気味になっていた目を揉む。
電子化が進んだ現代においても、答案用紙の採点はアナログだ。見渡せば、自分以外にも何人かの先生が採点をしている様子が目に入った。
折角だから周りにもコーヒーを淹れようと立ち上がる。
いつかAIが採点もやってくれると良いのだけど。

10/7/2022, 10:10:26 AM

力を込めて、扉を閉めた。もうこの家に入ることは無いだろう。
今までお世話になりました。新しい恋人と、それなりに幸せに過ごしてください。
大嫌いだよ、君なんて。

10/7/2022, 1:55:30 AM

夜の公園が怖かった。小さな頃に住んでいた家の近くには大きな公園があって、よく近所の子と遊んでいたのだけど、夜になるとガラリと雰囲気が変わって怖かったのだ。
見通しもよく茂みがあるわけでもないので、誰かが潜んでいるように見えていたわけではない。ただ、真っ黒な公園を見ているとどこかに繋がってしまいそうで、ただただ怖かったのだ。
あの闇がどこに繋がってしまっていたのか、今でもふと考えることがある。

10/5/2022, 4:27:31 PM

今でも明確に覚えている星空がある。
夏休みの合宿中、仲間と眺めた星空だ。課題で星座の観察が出されていたこともあり、連れ立って宿の庭に見に行ったのだ。
少し寒い夜、大の字になって見上げたあの夜空。星座から零れるように流星が降っていて、課題のことなんて忘れて夢中ではしゃいだ記憶がある。
未だに、あれより見事な星空は見たことがない。きっと何年経っても、同じことを思うのだろう。

10/4/2022, 12:40:47 PM

月が綺麗な夜だった。ベランダで煙草を吸っていた私の前に、あなたはふわりと降り立ったのだ。
「踊りませんか?」
手を差し伸べられて、訳も分からず頷いていた。

Next