登場人物はわたしとあなた
たったそれだけ
たったそれだけでできている世界
なのに
おまえもおまえもおまえもおまえも!!!
誰なんだよ!?
帰ってくれ!!!
嫌いな言葉を使う人
終わらない仕事
進まない原稿
運営の舐めた態度
トイレットペーパーのストックがもうない
青黒い天井によしなしごとを並べていると
追いかけてくる朝を思って肌が痺れる
このアプリの広告を消す方法はないかしら?
お金なら払うわ。圧倒的にね。
あのゲームの広告、ほんとうに怖いのだもの。一目で大嫌いになったわよ。あのゲームは絶対にダウンロードしないけど、このアプリは使いたいの。
愛があれば何でもできる?
なんて、おかしいわ。
私とあなたが出会ったのはつい3日前なのよ。
足りない分を日本円で払うから、私の生まれかけの愛を試すのをやめなさい。
はてさて、どこまで遡ればよいのだろう。
たった一度の挑戦で簡単に夢を諦めてしまった時か。
担任の魅力的な詭弁に乗って安易に進路を決めた時か。
尊敬する先輩の一言に背中を押されて昇任を決めた時か。
いやさ、友達の命令に逆らえず泣きながら蟻の巣に水を注いだことだって、到底忘れられるようなものじゃない。
数え切れないほどの身に覚えを精査するなんて途方もないから、マックのおばちゃんともうちょっと話せばよかったなって、贅沢で卑小なそれだけ抱えて、今夜も漂っている。
腐りかけのマストに穴だらけの帆を張って
空回りする梶を意味もなく切り返して
錘のない錨を下ろしっぱなしで
遥か遥か遥か彼方の無数の星明かりだけを頼りに
人生という名の航海を
などと言ってる間に新しいお題が出てしまってる
人生という名の後悔よ
今、肩にかけているこの鞄をたとえばどこかに丸ごと捨てて。
今、揺られているこの電車をたとえば降りて反対のホームへ。
線路が終わるまで電車に乗って、そこで全てを終わりたい。
お気に入りの通勤鞄も。
試験と仕事を頑張って勤めてきた会社も。
大切なもの全てと一緒に手放せるのなら。
私の全部を捨てて、おしまいにしたい