空恋
僕は空に恋をした。
届くはずもなければ、話すこともできない。
毎日一方的に眺めるだけで 進展なんかしない。
それでも毎日元気をもらえる。
生きる糧になる。
時々雨を降らす君を見ると守りたいと思う。
君のおかげで頑張れているんだ。
だからもう少し
せめてこの雨が止むまでは
空のように綺麗で届かない君に恋をしたい。
波音に耳を澄ませて
朝起きて家を出れば、目を覚ましてと言わんばかりに
波の音が耳に入ってくる。
耳を澄ませば、きこえる音色は波一色になる。
そんな場所で恋をしたい。
夕方、波の音をBGMに、友達と歩きながら帰る。
夏になれば学校帰りにそのまま海に出る。
そんな場所で青春がしたい。
波の色は1つではない。
24時間365日、きっと全く同じ日はないだろう。
だからこそ私はそんな場所で一生を過ごしたいのだ。
青い風
この頃の風は青い。
梅雨が明けて、本格的に夏が顔を出すこの時期は
1年の中で1番青くて1番赤いだろう。
梅雨明けの開放感と
雨と引き換えに顔を出した太陽の赤さは
肌に直接伝わってくる。
赤の隙間から
ほんの一瞬だけ青い風が髪を揺らせば
赤が恋しくなるほど青一色に染まっていく。
クリスタル
クリスタルのようなキラキラしたものが好きだ。
自分より輝いて見えるものに目を惹かれるのは
当たり前だろう
自分より輝いていれば嫉妬する。
羨ましいと思う。
ただ、あまりに届かぬ位置にいると
嫉妬なんて感情は輝きに消されてしまうのだ。
儚げだが強く、たった独りで輝けるクリスタルに
私はどう嫉妬すればいいのだろうか。
夏なんか来なければいいと思う。
ただ暑いだけだし、日焼けするし
汗をかくから髪型もメイクも崩れる。
おまけに虫も多くて嫌になる。
ただ、隣の家からきこえる風鈴の音も
大きく存在感のある入道雲も
エアコンの効いた部屋に入る瞬間も
途絶えることを知らないセミの鳴き声も
案外嫌いじゃないなんて言ったら
矛盾しているだろうか
夏の匂い