カフェの誰もいないテーブル席に
独り座って
ラテを飲みながら本を読む
と
向かいの席に
誰かが座る
(今空いてる時間じゃん!何で向かいに座るワケ?)
と
本を見ながら真向かいの人をチラッと見る
あ!
同級生だった
しかも
久しぶりに会う
こんにちは!
久しぶりだね!
ひなちゃん 元気?
話しかけられた
けど
私はこの子の名前を
ど忘れしている
こんにちは!
元気だよー!久しぶり〜(誰だっけ誰だっけ誰だっけ)
焦る
本読んでるんだね!
と言われ
うん!今日天気も良いしー
と返すと
ひなちゃんは
今は仕事何してるの?
と聞かれて
会社員だよーもうめっちゃブラックでやんなるー
(誰だっけーーーーーうわーーーー)
そんなしょーもない会話を
ダラダラ話した5分後
またね
やっと解放された
ラテも私も
汗をかいていた
未だ名前を思い出せない
今はもう
このままで終わってしまうことが見えている
自然消滅という
やるせなさが
僕の心にわだかまる
何かできることはないかと
空元気は虚空を彷徨う
僕はどこまでも
好きだった
けどそれは
独り相撲で終わりを告げる
寂しさが
込み上げて
僕は仕事に集中する様にして
だけど心は
上の空だった
何とかならないか
でも今更
僕らが付き合いだしたのは
ちょうど二年も前のことだったろうか
だんだんと心の距離が離れて行ったのは
付き合い
一年経って少しして
彼女が僕に相談しないで転職してからだった
彼女はもう別の人に見える
どうにも出来ない
何とかならないかな と
感じていた
心の溝が埋まることはなかった
僕は一人で
近々
歩き出すのだ
今日は海へ
黙祷を
過去の自分がいなくなった日
過去の自分を卒業した日
これからの自分と
生きる日
買って来たシャツを来て
会社に出た
仕事をしていると
同僚から
それ 裏 裏だよ
と 言われた
トイレに行って
シャツをよく見ると
裏返して着ていた
あちゃー
脱いでその場で
表にして着直した
同僚に
ありがとう
と言うと
たまにあるよね お前
と言われた
え マジ?
言ってよ…
と言うと
めんどくさいじゃん
と一蹴され
俺はたまに裏表逆に服を着ている人
という
変な人の位置が定着した
ま いっか
服は服だし
俺は開き直った
君がさよならと言う
その前に
なぜ僕が
君の気持ちを
感じられなかったのかを
悔いている