生粋

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7/7/2025, 3:46:26 PM

【願い事】


あ~なりますように

こ~なりませんように

必死に願ったあの頃と違い

ある時期から

と~てい叶いそうもない事を

諦めるための儀式になったような

いやぁ

やっぱ歳だなぁ

7/6/2025, 11:50:32 AM

【空恋】


空の恋

空から恋

空に恋

空回りの恋



これだ


でもさぁ

恋なんてだいたい空回りだろ


なんて思うのは

俺だけ?


めくるめく空回りの果てに

もう空回る体力も無くなってきた俺は

全然、空回ってませんよ

だけは出来るようになったように思う

7/5/2025, 2:34:18 PM

【波音に耳を澄ませて】


夜の砂浜は静かで

聞こえるのは

波の音と時折つぶやく君の声


まだ知り合って間もない彼女は

明日の朝遠方へ旅立つらしい

きっとこれも何かの巡り合わせ

餞別に1冊の本を渡した

しょぼくれそうになった時

もしかしたら役に立つかもしれないと選んだ

手にした本を少しめくって

「この作者の人、だいぶぶっ飛んでるね」と笑った


名残惜しいけれど彼女の明日は早い

あと数時間後には彼女を乗せた飛行機は飛び立つ

そろそろ送っていこうと車のエンジンをかけると

彼女も「えぇ~」と名残惜しそうではある


まだ帰り道の時間もあるし

足りなかったら

家の近くでギリギリまで付き合うよ

と車を出す


筈だった


次の瞬間

何やら不審な気配

車を降りて確認すると

砂浜にタイヤが少し埋まっている


むぅ

これは慎重に対処せねば

彼女にミッション車の運転は出来るか聞くと

大丈夫との元気な返事に一安心

俺が車を押すからゆっくり動かしてと伝え

車の前に移動する

砂の状態からすると何とかなりそうだ

力の入る体勢をとり彼女に声をかける

せ~のっ!

けたたましいエンジン音と共に

車はバンパーまで埋まった


天を仰ぐ

星が綺麗だ


もう笑うしかないが

そうも言ってられない


試行錯誤を繰り返し

何とか砂浜を脱出する頃には

夜が明けていた

喜びを分かち合う暇もなく

急いで彼女を送る

「何時までなら間に合う?」

「30分後には家を出て空港に向かわないと」

「わ~ぉ」


しんみりお別れに浸る余裕も無く

何とか時間内に送り届けた彼女の後ろ姿は

満身創痍であちこち砂も付いてたけど

朝日を纏ってなんだか逞しく見えた


「きっと大丈夫」

そんな気がした


立ち寄ったコンビニの駐車場で

コーヒーを飲みながら

まぁ

お互いに良い思い出にはなったかもな



彼女を運ぶ飛行機を眺めた後

その駐車場で

5時間くらい寝てたらしく

寝違えた首と筋肉痛に耐えながら帰った

7/4/2025, 1:58:56 PM

【青い風】


残念ながら

それを見た経験はない

それっぽく感じた事はあるかも知れない


茶色い戦争があった頃には

そんな風も吹いてたのかな


風の色なんてものに気を止める事もなく

忙しない日々を過ごしていると

風も色褪せてしまったのかもな


もう少し若かりし頃なら

それなら俺が色付ける

なんて小っ恥ずかしい事を言ったり

そもそも風に色なんてと

方意地張ってみたりしたのかなぁ


今でも無いわけじゃないけれど

たま~に吹く風が心地良いから

色は無くてもいいや

7/3/2025, 1:17:26 PM

【遠くへ行きたい】


たまに考える事もある

全てをリセットし

新しく最初から積み上げてみる

そんな妄想

あくまで妄想


今いる場所も残念ながら

そんなに易々と手放せるような所ではない

手放したい現実もあれば

手放すにはあまりに惜しい現実もある


だから

たま~に少しだけ遠く

少しだけ普段と違う景色を眺めに行ければ

それでいい

それが手離したくない現実達と共になら

最高じゃないか

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