【まだ知らない世界】
これだけ情報の溢れる世界で
それでも知る事がなかったのであれば
それは知らなくても良いのかもしれない
持てる情報の量にも限界はあるだろう
なんて思っても好奇心は止まらない
だから
新しく入ってきた物に押し出され
色々忘れちまうに違いない
【手放す勇気】
ないない
大切なものはいつまで経っても大切だし
読み終わった本も
また読み返したくなる時が来る
一度バイト先の本棚に寄付したマンガも
のちのち全巻買い直した
貧乏性なのか
無くて困る事はあっても
あって困る事はないと思ってしまう
カバンはいつもパンパンだ
チョットした小道具達に
虫刺されの薬
絆創膏に
モバイルバッテリー
圧縮タオルに
爪切り
小さなライトに
両面テープ
ペーパー石鹸に
折りたたみうちわ
フットケアクリームに
使い捨て雨合羽
ピルケースに
シミ抜きセット
メモ帳セットに
360°カメラ
カード虫眼鏡に
デンタルフロス
小さな巻尺に
ボディシート
もらった手紙に
孫と遊ぶオモチャ
割と役に立ってる
お腹周りのプヨプヨだって
【光り輝け、暗闇で】
これは・・・
往年の少年マンガのようで
ちと気恥しい
自ら発光する事は出来なくても
反射する事は出来る俺
光源から届いた光を
角度を変え
光の届かぬ所へ運ぶ
時折
自身が発光してるかのような
錯覚も憶えるけど
光源の光が届かなくなると
瞬く間に真っ暗だ
だけど
光源からの光だけでは届かない所を照らせるなら
それも存在意義だと思う事にした
光源様々の借り物競争
まだまだ走るぜ
【酸素】
昔
居るのが当たり前になって
空気のような存在には成りたくない
と言った人がいた
でもね
空気が無いと生きて行けないのだよ
【記憶の海】
寄せては返す波のように
思い出せそうで思い出せない
人の名前
歌のタイトル
地名に料理名
さっきまで持ってたポールペンの行方に
昨日の晩ごはん
この100円ショップに来た目的
今度会った時にしようと思ってた話
これはホントに歳のせいだけかしら
思い出しそうになっては
あと一歩の所で引いていく波
そこに至る道のりから思い出そうとするも
それとは違う他のことを思い出したり
後はもう時折訪れる
ビッグウェーブだけが頼り
だけどもし
無意識に閉じ込めた記憶なんかが混ざってたりするのなら
たちまち飲み込まれてしまいそうだ