【遠く....】


お店のメニューにある

辛口や激辛

はじめましてのお店だと特に

基準が分からない

同じ激辛表示でもお店によって様々

人に聞いても

その人の基準が分からない


一度自分で試してみるしかない

辛い

甘い

苦い

近い

遠い


やはり曖昧だ

誰かから見た遠くは

別の誰かから見た近くだったりする

自分の基準だって変わる

自身がそれに気付いてない事もある


遠く


俺の知る最も遠くは

すべった時に仰ぐ宙だな

と

強がってみる

【誰も知らない秘密】


そりゃ

言えないよ


でも

そんな事でも

ポロリと話せるような

安心感


そんな環境が出来るといいなぁ

と思う

【静かな夜明け】


つい先日

早朝に鳴り響く電話の音で飛び起きた

会社の後輩からだ

これはただ事ではない


しかし一応は先輩

電話の向こうで

申し訳なさそうにしてるであろう

後輩を思い

いつもより柔らかい声を心掛ける

もしもし～

ど～したぁ？


早くからすいません

に対応すべく

大丈夫よ～

の言葉を口の中で温める


しかし

聞こえてきたのは

もう出られました？


ん？


あっ
まだいらっしゃいます？


ん？


噛み合わない話

泳いだ目の先に時計があった

始業時間を過ぎている


ん？


さっきまで温めていた言葉を急いで飲み込む


た、ただいま起きました

電話の向こうで複数の笑い声が響く


午前中の仕事はどうにかしとくんで大丈夫ですよ

逆に言われてしまった

暖かい・・・


途中

地元の名物を2分で買い

会社に向かう


いつ以来だろう

なんて思いながら

静かすぎる夜明けも考えものだ

と

責任転嫁

【heart to heart】


英語は苦手と

言った端からなんてこったい


まぁ

今回のはギリセーフだな


もちろん独りよがり

そんな可能性もある

断言は出来ない


だけど

そう感じた事はある

少なからず

こちらはオープンで良かった


あまり考えず

深読みせず

素直な言葉を発する反面

取るに足らない事だったり

まとまりの無い言葉も多かったけど

そんな事も気にせず済んだ

う～ん

これは相手のお手柄だな

【永遠の花束】


中学生の頃

大好きだったばぁちゃんが亡くなった

葬儀を終え

火葬場に入る


まだ何処かで

気持ちの整理が出来てなかったのだろう

火葬を終えた時に

現実を叩き付けられた気分だった


もう優しかったあの顔を見る事が出来ない

ショックだった

中学生の俺は

もっと科学が進歩して

生前の姿のまま

残せる未来を願った


そんな俺も

あれからそれなりに大人になった

あの時の自分を子供だと思うくらいには


保管場所や費用なんて

現実的な話ではなくて


それは残された者のわがままであり

その気持ちの中に

ばぁちゃんの気持ちは存在しない


きっと自分でも

そんな中途半端に存在し続ける事は望まない


代わりに残してもらった

たくさんの思い出がある


永遠だなんてだいそれた言葉にはピンと来ないし

記憶力もだいぶ怪しくなってきた


そんな事を考えてると

改めて

写真ってすげぇ発明だなぁ

なんて思う