生粋

Open App

【永遠の花束】


中学生の頃

大好きだったばぁちゃんが亡くなった

葬儀を終え

火葬場に入る


まだ何処かで

気持ちの整理が出来てなかったのだろう

火葬を終えた時に

現実を叩き付けられた気分だった


もう優しかったあの顔を見る事が出来ない

ショックだった

中学生の俺は

もっと化学が進歩して

生前の姿のまま

残せる未来を願った


そんな俺も

あれからそれなりに大人になった

あの時の自分を子供だと思うくらいには


保管場所や費用なんて

現実的な話ではなくて


それは残された者のわがままであり

その気持ちの中に

ばぁちゃんの気持ちは存在しない


きっと自分でも

そんな中途半端に存在し続ける事は望まない


代わりに残してもらった

たくさんの思い出がある


永遠だなんてだいそれた言葉にはピンと来ないし

記憶力もだいぶ怪しくなってきた


そんな事を考えてると

改めて

写真ってすげぇ発明だなぁ

なんて思う

2/4/2025, 2:11:52 PM