【旅の途中】
それはそうだ
長い長いその途中
未だ終着点も定まらず
右往左往
あの山は
登るべきか
迂回すべきか
目前の川を
対岸を目指し進むべきか
沿うべきか
沿うなら川上か川下か
辟易としながら
重たくなった足を出す
だけど俺には行先を占ってくれる
道標がある
子供の頃
夢中になった棒はもうないけど
もっと頼りになる
道標達が
進むべき方向を
やんわりと教えてくれる
【まだ知らない君】
そう遠くない未来
我々の関係性は
また少し変わったものになっている
それは
成長の証だとも思う
お互いの
そして君は知る
父もまだ
不完全だと
さらに先の未来
君は知る
追い越してしまった背中を
【日陰】
字の印象か
季節柄か
ネガティブな雰囲気
良い方に持っていくと
陰から支える
縁の下の力持ち
それでも
何やら報われない雰囲気
日陰
まぁ
それでも
夏になると
自然と人が集まってくるから
良いのかも知れない
子供の頃より
夏が長く暑くなった
これから
そういう人が
報われる時代になるのかも知れない
【帽子かぶって】
外での仕事が多かった頃
仕事中はいつもキャップをかぶってた
本社の会議にもそのまま参加して
方々からお叱りを頂く事に
二年ほど前
後輩が
オリジナルキャップを作ってくれた
俺の似顔絵と名前入りのチーム名が
デカデカとデザインされている
なかなかの出来だ
オリジナルカラーが十個
色違いが数個
作った後輩が一つプレゼントしてくれたので
色違いを二つ頼んで一つは甥っ子にプレゼント
俺は二つ持ち
シーンで使い分けようと思ってたら
帰省した長女がかぶって帰ったから
結局一つになった
そのあと人事異動でチームはバラバラに
長女と甥っ子
バラバラになったチームと俺
各地に散った帽子をかぶって今日も出掛ける
そろそろ各所で注目を浴び
ビッグビジネスのチャンスが到来するかも知れない
お求めは遠方に旅立った
はぎ~まで
【小さな勇気】
とある四川料理店
それまで辛い物は苦手で
一切食べらなかった俺
汁なし坦々麺を頼んみた
辛い
口に入れた瞬間に辛い訳では無いけど
飲み込むと
喉
食道
胃
通った所が熱を帯びはっきりと分かる
次第に汗が滲み出す
しかし美味い
以降辛いものを好んで食べるようになった
小さな勇気
人類にとっては小さな一歩だが
俺にとっては偉大なる一歩だ
新しく開けた世界を
意気揚々と探索する俺
激辛と出会うまで
そんなに時間はかからなかった
泣いた
踏み出した一歩が
いつも正解とは限らないのだ