【理想郷】
欲を言えばキリが無いけど
一時を思えば
今でも十分だ
あの時の俺にとっては
今みたいな未来は想像つかなかったはずだ
あの頃の理想とした場所には立ってると思う
今の理想は分からない
またいつか振り返った時に
十分だと思えたらいいな
【懐かしく思うこと】
たまに
古いLINEを読み返してみる
そう言えばそんな事あったなぁ
だったり
まだぎこちないやり取りだったり
あれはいつだったっけ?なんてのも
自分の受け答えも
今だったらきっと違う事言うなぁ
なんて思いながら見てると結構楽しい
会話は記憶だけが頼りだけど
簡単な日記みたいで
思い出すことも多い
そして時間は流れてるんだと
改めて感じる
【もう一つの物語】
不意に産まれた何か
それが何かを解明しようとする
深い
恐らく今までで1番深い
だけど
その何かに先がない事だけは分かっている
それなら解明する必要も無い
とも思える
しかし
ここで捕まえとかないと
後て失敗しそうに思う
そして
その失敗の被害に会うのは
きっと自分では無いから
ちとシンドイけれど
今踏ん張っておく
なんてやってる内に
既にもう一つの物語は
とっくに始まっているのだ
【暗がりの中で】
鈴の音が聞こえる
微かな音に
また気のせいかと思うが
再び音が聞こえる
気のせいでは無さそうだ
暗がりを足元に気をつけながら
音の方に向かって走る
ウナギ釣りだ
仕掛けを投げ込んだ釣竿の先に鈴を付けて置いておく
ウナギが引っ張れば鈴が鳴る
もちろん他の魚が引っ張っても鳴る
ゴミが引っかかっても
風が吹いても鳴る
そして長い事待ってると
何も無くても
鳴った気がする
一定の時間が過ぎると
誰からともなく始まる
今鳴った?
それが大き過ぎる期待故か
手持ち無沙汰に耐えかねてなのか
詳細は分からないが
心理的な現象っぽい
それを見てると
古の儀式やら降霊術やらって
こ~ゆ~のが起源なんじゃなかろ~か
なんて思ったりする
そう言いながら
自分もしっかり
空耳に反応してる
案外
実際に鳴ってるのかも知れないねぇ
【紅茶の香り】
紅茶ばっかり飲んでる時期があった
その頃は茶葉の種類もすぐに分かってたけど
次第に珈琲を飲む事が多くなり
今ではどの種類も紅茶で一括り
珈琲も同じ道を辿り一括り
思い起こせば
米や魚も似たようなもんだ
あれだけ読んでた本もあまり読まなくなった
釣りにもしばらく行ってない
好みの変化と言うより
生活や環境の変化に伴って
時間を過ごし方がだいぶ雑になったように思う
最初は感じた違和感も随分薄まり
いつの間にか当たり前になってた
しかしここ数年
割と時間が取れるようになり
周りからも良い影響を貰った事もあって
少しづつ
取り戻しつつある
ゆったりな時間に身体を伸ばすと
今まで随分縮こまってたと実感する
残りの時間
もうひと伸び