【たそがれ】
中学の国語の先生から聞いたのは
誰そ彼
向こうから来る人が誰なのか
見分けがつかなくなる夕暮れ時
誰ぞ彼は
みたいな語源で日本特有の綺麗な言葉だと聞いた
確かに!と
大人になったら使いこなしてやろうと思ってたけど
実際に使われてるのは
哀愁を纏った雰囲気
何故だ?
地域性?
夕暮れ時にお別れの話だったかしら?
あぁでも
顔が見えるか見えないかの
距離感なら
何となく分からんでもないや
【きっと明日も】
どっちにも転がれる言葉だ
今日次第だ
大抵の場合
明日は激変しない
今日の延長線上にやってくる
きっと明日もから
きっと明日はになる日は
淡い何かを感じた今日があるから
良い方向であれ悪い方向であれ
変わらない明日
変わって欲しくない明日
今日の自分に出来る事
今日の自分ではどうにもならない事
どちらにしても
出たとこ勝負ってよりは
正解は分からなくても
もがいた分だけ想定内は増えると思う
どうせ明日も
なんて今日を投げ捨てた後は
だいたい
どうせな明日がやって来るから
たぶん合ってる
悪い事より
良い事の方が見つけにくいから
なかなか腰は上がらないけど
【静寂に包まれた部屋】
静寂
随分と貴重なものになった気がする
何処にいても音が溢れてる
自分が静寂を感じきれなくなったのか
なんて考えると
久々にそれに浸ってみたくなったりするから
我ながら単純なもんだ
【別れ際に】
今までにどれだけ
その際に立っただろうか
そこにだけ目をやれば
現在は
累々と積み上がった
別れの上に有るとさえ思える
それが最後になるとも知らないまま
いや
最後だと思わないようにしてた
の方が正解かも知れない
積み上がった経験のおかげか
伝えたい事は伝えられる内に
聞きたい事は聞けるうちにと
昔と違い随分とおしゃべりになった
それも
傾けてくれる耳があっての事だ
自分を自分たらしめるのはやっぱり人だ
不意に訪れる事も少なくない
その際に
こんな事なら出会わなければ
なんて
それまでの時間を見失う事なく
出会いに感謝が出来る自分で在りたい
累々と積み上がったその数は
出会いの数であり
当然
そちらの方が多いのだから
悲観しがちなこの道も
案外
上手く出来てるもんだ
なんて思う
【通り雨】
水に流す
それを試みるなら
このモヤモヤは
その水量じゃ
足りねぇなぁ
珍しく
抑えても湧き上がる
この憤りは
初めての体験かも知れない
まだ
我が身に起きた方が
どれだけマシだったか
違うから抑えられないのか
鎮火の見通し立たず
ただただ天を仰ぐ
あまりの理不尽に
力不足の胸が痛い
笑顔の燃費がすこぶる悪いや