生粋

Open App
7/31/2024, 10:26:50 AM

【澄んだ瞳】


高校の時か

美術の授業で

有名な肖像画を模写する事があった

割と目にする事のある

よく知ってる絵だ

今まで特に気に留めた事はなかった

好みの絵でも無かったのだろう


授業が始まり

先ずは目から書こうと思い

その絵を見つめた時だ

吸い込まれるような瞳に驚愕した

艶やかで透明感があり

とても真似出来るような気がしない

この瞳を模写しようとするだけで

授業の時間は使い果たしてしまう

全体を見れば

そんなリアルな絵ではなさそうなのに

それとも瞳の模写を終え

次に移った時にまた腰を抜かすのか


よく知ってるつもりだった絵

何も知っていなかった


違う人が見たら

また違う印象を受けるんだろう


全て見透かすような

澄んだ瞳に

自分の目から

音を立ててウロコが落ちていったのをよく覚えている


あれから

長い時間が経ったけど

俺の目は再び音を立てる事になった

君の瞳を見たから

7/29/2024, 3:57:58 PM

【嵐が来ようとも】


大地を掴み

目標を見据え

後続を守り

歩を進め

時折笑顔で振り返る


そんな体力はもうない

気力はある

しかしこの気力も

迷惑な話だろう


先頭には立たず

後ろを口出しせずについて行く

そんな順番が来たのだ


頼もしくなった背中を眺めながら

取り残されぬように

7/28/2024, 11:56:56 PM

【お祭り】


大人になってからのお祭りは

それを楽しみに行くというより

大人になるまでに行った

お祭りの記憶やその時の感情を

追体験しに行ってる

ような気がする

7/27/2024, 11:04:15 AM

【神様が舞い降りてきて、こう言った】


実は私

神様である

一応、国のお墨付き

おっと

宗教の話ではなく

伝統芸能の話


普段は普通のおっさん

いや、ややアホなおっさんだ

縁あって始めた頃は10代だったから

「若いのに立派な」と

大人たちから褒められてた

また、向いてたらしく

結構チヤホヤされたが

今や若さも失ってしまった


十八番の役どころを

初披露した時は

場の雰囲気と緊張に

ある種の心地良さを感じた

学生の時に部活動の試合で感じた緊張感

それともちょっと違う


すっかり忘れたけど

お題を見て思い出した

もしかしたら神様の声って

そういったものなのかもね

7/27/2024, 5:28:34 AM

【誰かのためになるならば】


どうやら年齢は

あまり関係ないらしいぜ

Next