【私だけ】
自分より年下は全て同い年
だと思ってしまう
一応分かってるんだけど
実際に話してると忘れている
改めて歳を聞いて驚愕してしまう
自分の子供くらいの子達と話してても
実際
自分の子供と話してても
自身の成長のなさが招くのか
恐らく
私だけ
ではないと思う
【遠い日の記憶】
三人兄弟の1番上だった
近所の子供達が集まって遊ぶ時も
1番上だった
大将だった
大体の事は俺が決めてた
そしてワガママだった
気に入らない事があると
1人プンスカと捨て台詞を吐きながら帰ってた
その日は確か
小学校のグランドで
野球をしていたと思う
どのタイミングだったかは覚えてないが
小石を投げたと言いがかりを付けられた
投げてはいないが
向こうも折れない
しょ~もない言い争いだ
仲裁の声もあって
取り敢えずは収まり
野球が再開された
しかし耳に入ってしまった
「本当は投げたくせに・・・」
お山の大将は大激怒
「もういい知るかっ!!」
裏門を乗り越えて帰ろうとするのを
他の子達が引き止めに来る
いつもならお構い無しに
とっとと帰ってしまう
嫌な空気を撒き散らし
自分はすっきりとして
家に帰る頃にはケロッとしてるし
それより早ければ
そのまま遊びに行ったりしてた
なぜかその日は
よじ登った裏門の上で
ふと想像してしまった
この子達は自分が帰った後
どんな空気で遊びを再開するのか
もう解散するのか
よし!気を取り直して!
とはなりそうもない
自分一人の感情で
この子達の楽しい時間を壊してしまう事実
俺は初めて
自分の感情と裏門の上から引き返した
よくある子供の1日
きっと誰も覚えてないけど
俺にとっては今後の自分を左右する
大きな1日
気付かせてくれたのは
裏門の下で必死に引き止めてた
1つ下のイケメンやっちゃん
【終わりにしよう】
そんな言葉はまだ聞きたくない
ずっと聞きたくない
聞きたくなかった
言いたくなかった
【優越感、劣等感】
最初は優越感だったと思う
小さな世界の王子様
根拠のないその自信は
世界が広がる度に小さくなって
気付けば長い時間を
劣等感の中で過ごす
ある時
差し伸べられた手により
すくい上げられる
見違える景色の明るさ
心地よい浮遊感
劣等感の中で培った
バランス感覚は
割と上手く身体を浮かせてくれた
借り物の万能感を纏った
裸の王様
当然失脚は早く
再び劣等感の海へ
ようやく
自分を理解した
もと王様
海の中を上へ下へ
右へ左へ
泳ぎも少し上手くなった
潮の流れにも乗れるようになった
負荷のかかる海中の方が
成長出来るのかもしれない
暗闇に目が慣れると
今まで気付かなかった景色も見えるようになった
海面でジャンプも出来るようになった
案外悪くない
のんびり泳いで
プカプカ浮いて
心配される事も無い
【これまでずっと】
これまでずっと
これからずっと
これまでもずっと
これからもずっと
これまではずっと
これからはずっと
いつかきっと