【優越感、劣等感】
最初は優越感だったと思う
小さな世界の王子様
根拠のないその自信は
世界が広がる度に小さくなって
気付けば長い時間を
劣等感の中で過ごす
ある時
差し伸べられた手により
すくい上げられる
見違える景色の明るさ
心地よい浮遊感
劣等感の中で培った
バランス感覚は
割と上手く身体を浮かせてくれた
借り物の万能感を纏った
裸の王様
当然失脚は早く
再び劣等感の海へ
ようやく
自分を理解した
もと王様
海の中を上へ下へ
右へ左へ
泳ぎも少し上手くなった
潮の流れにも乗れるようになった
負荷のかかる海中の方が
成長出来るのかもしれない
暗闇に目が慣れると
今まで気付かなかった景色も見えるようになった
海面でジャンプも出来るようになった
案外悪くない
のんびり泳いで
プカプカ浮いて
心配される事も無い
7/14/2024, 1:20:54 AM