生粋

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6/5/2024, 12:10:29 PM

【誰にも言えない秘密】


あの双子は

覚えてるかな

幼い我々の

秘密のあの日

6/5/2024, 2:06:37 AM

【狭い部屋】


ゲームが好きだった

妹達と肩を寄せ合い

大騒ぎした日々が懐かしい


その頃には

常に持ち歩く事になる端末で

ゲームが出来るようになるとは

夢にも思わなかった


いつでも出来るし

もうコントローラーを奪い合う事もない

対戦相手も無限大だ


しかも

ゲームだけではなく

便利なアプリが目白押し

情報も記録も

予定も買い物も

連絡も行き先も


ごく稀に充電を切らしたり忘れたりすると

その依存度や

あの小さな箱の偉大さを思い知る



同時に

随分と狭い所に閉じこもってたな

なんて思ったりもする

6/3/2024, 4:57:56 PM

【失恋】


大きな失恋をして

大きく成長した

それっきり

6/2/2024, 11:48:03 PM

【正直】


子供の頃は
圧倒的に正しい事として
教わったと思う

少しすると
思った事をそのまま口にする事は
良しとされず

怒られる
責め立てられる
そんな時に
耳にする言葉になった

そんな事も少なくなると
本音を吐露する
前置きの言葉に


自分の言いたい事
自分に都合の良い事を
自分の正当性を
振り回す同僚は
正直者なんだろう
「正直者が馬鹿を見る」と
自分でも名乗っていたから
間違いない


正直者は声高らかに
隣の芝生の青さを呪い
自身の不遇を器用貧乏と嘆き
自分もそうされたからと
次の世代に投げ

ゴマをすり
障害と成りうる者を責め立てる
欲した物は
横からでも掠め取っていく
清々しくはあるが

正直見てられない


お題になって
改めて向き合うまで
気付かなかったけど

こんなに変化する言葉を
他に知らないかも知れない

6/2/2024, 7:39:24 AM

【梅雨】


いつだったか

豪雨に見舞われた年

設備が土砂災害に遭った別の支店から

緊急の応援要請が来た


現地では対策本部が設置され

各支店が集まったメンバーで

班編成がされ

各班作業に取り掛かる


一通りの作業を終え

帰宅する頃には

すっかり暗くなっていた


自宅に着き

長女にマッサージをおねだりしようと

汗のせいか雨のせいなのか

重くなった作業服を脱ぎ

床に寝そべると

俺の背中を見た長女が

声も出さず

崩れ落ち震えている


痛みもなく

全く気付いてなかった

豪雨の爪痕


倒れ込んだままの長女が声を絞り出す

「パ.....パ.....パ.......」

「ん?パパ??」

聞き返すと

苦しそうに言葉を吐き出す涙目の長女

「パ....パ.....パ.....パンツがぁ!」


もはや原型を留めていなかった

ゴムしかないような状態だ

その日

マッサージされる事はなかった

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