ねちょねちょ系鯖缶

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8/12/2025, 1:10:20 PM

藻掻くだけの日々に憑かれた
それがどうにもつまらなかった

温度を忘れた
から、暑いんだか寒いんだか分からなかった

ただ思い出せない
多くのことが
少し、うまく、わからない




“   ”




ぼたぼたと、きこえた


真夏の記憶

8/12/2025, 3:15:20 AM

“やさしいね”、だって
何をもってしてそうしたのかね
んなもん客観からする偏見でしかないのにさ

まず考えてもみてよ
例えばさ、金銭の代価に商品を快く引き渡すこと
客入り維持の為それはそれは丁寧ににこやかに接客をすること
それらの何が特別だって?

時折不安になってしまうよ、それ本気で言ってんのかって
だったらあんたはやさしいね、とてつもなく生やさしい
その裏に巣食った心根なんて訊こうとも思いやしないだろうに
それすら良識はやさしさだとか呼ぶそうだ

やさしさなんて合理性に他ならない
莞爾な笑みを湛えたそれのどこが信用に値するのか

8/9/2025, 5:20:57 AM

空は死んでいた
魚は浮いていた
落ち葉が此方を見ていた
花は哭いていた
蛙は臓を皮膚とした
呼吸が煤に塗れていた
君は、ヒトでは非ずに君だった
此の世界の何処に心の羅針盤などと崇高なものを見出した?
或いは其れが在ったとて、針先の寸分足らずも違っていないと言い切れた?
何故に斯様なものを妄信し、君を、

君の命を、足蹴に出来た、?


夢じゃないよ
いつか何処かの話じゃないよ
終わりは遠くに思えていようと、
其の実足の裏にて忍んでいる
明けない夜が無いのと同様
沈まぬ白昼も在りはしない

忘れないでいて欲しい
今享受している安寧は、酷く脆弱な停滞であるといえること
誰彼問わず、真に平和も幸福も何一つ分かれやしないこと
そして此の先、其れを知っていて欲しいこと

8/7/2025, 7:14:04 AM

廃線の勝手踏切に立休らう
星が見たいから
本当は渡りきりたくはあるけれど
しかし踏み出した先に、もし小石があったらば、
蹴躓いてしまうでしょ
かと言って、足元なんぞ見飽いてしまったから
今だけはと綺麗なものだけ眺めゆる

時が滞ったと錯誤する
それ程までに空はただただ空である
瞬く柄杓と十三にすら満たぬ麗月が
音もなく、目に釘打っていた
もう、動きたくないな

このまま、世界に揺れて溶けて溺れてしまえばいいんじゃないか
泡になりたい息すらも、全て押し殺せるなら楽だろか
重心をも掴むことなく沈んでいれれば相応しい

そうしてそうして耽って耽って
風に攫われること夢見ている
その日は来ないと、片隅に知っておきながら
侘しさを無駄で包むみたいに、虚飾にただ縋ったように


もし、本音がこれを望んでいるなら
掻き消せないのは痛手なのかな

8/5/2025, 1:56:53 PM

ぐるっと眩み八転び
横目で悟ったまたしてものやり直し
同じ焦熱を何度も何度も
同じ憂愁を何度も何度も

君はずっとそこにいる
僕はまだサイダーを握っている
もう飲めたもんなんかじゃないだろうこれが
腐敗した時間を証明してる

ねぇ、君の言ってた取り柄何だっけ
あぁ、おしゃべりなとこだっけ
じゃあさ、話そうよ

、なんか言ってよ
話聞いてよ
ねぇって、こっち見なよ

目ぐらいは、開けてよ


潮時か
持て余したそれを胃に棄てる
ぬるい炭酸と無口な君を
一つと残さず飲み干し砕く
もしかするならそれらは全て、誰かの塩酸に過ぎないかもな



あぁ、醒めちゃった
ただいま、夏
さようなら、夏

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