人さがし

Open App
12/8/2023, 1:59:39 PM

─ありがとう、ごめんね─

貴方は言った、『ありがとう』と。

私は言った、『ごめんね』と。

この2つの言葉は、

使い過ぎる程、本来の意味が薄れる。

たとえ本心で言ったとしても。

周りからは『思ってない』と決めつけられ、

自分の言ってる意味が分からなくなる。

それを痛感している貴方だから、

私の気持ちを分かってくれる。

それを痛感している私だから、

貴方の気持ちが分かってしまう。

だから今、こんな言葉が出てくるの。

分かってくれて『ありがとう』って。

今まで気づけなくて『ごめんね』って。

これは決して嘘じゃない。

この2つの言葉は、私達の本心だから。

12/7/2023, 8:11:31 AM

─逆さま─

私を置いて行く夏。大合唱する蝉の声。

空に比べて濃い海。風で揺れる向日葵。

眩しく感じる太陽。大きく白い積乱雲。

そして目の前で明るく照らされる踏切。

黒と黄、そして今明るく光始めた赤色。

蝉の声も太陽の暑さも、どうでもいい。

これで私の最後の夏は、終わり。

綺麗な夏に、さよならを。

12/4/2023, 10:30:37 PM

─夢と現実─

子供の頃は「夢を見ろ」って言われてさ、

高校生ぐらいになったら「現実を見ろ」って怒鳴られる。

大人になった頃には夢は捨てちゃって、

考えてもなかった職に就いた。

自分の意思を貫いて、夢を叶えた人なんてあまり居ない。

分かっていても夢を大事にしたいのは、

人間の性なのかもね。

12/3/2023, 8:30:45 PM

─さよならは言わないで─

『今まで迷惑掛けてごめんね、さよなら』

深夜一時に親友からきたLINE。

その文面には悲しさや苦しさが染み付いていて。

いつかくるとは分かっていたが、

まさかこんなにも早いとは。

できれば、老衰とかがよかったな。

まだ、人生の半分も生きていないのに。

でも止める気はない。

これから辛いかもしれない、苦しいかもしれない。

何も分からないのに死を先延ばしさせるなんて、

身勝手にも程がある。

私も本当は死んでほしくなんかない。

むしろ生きて、一緒に笑っていたい。

でもそれは出来なかった。

何故なら私も同じ気持ちになったことがあるから。

私は『そっか。今までありがとう、ばいばい。』と打ち、

頬に一粒の雫を残して眠りについた。

12/1/2023, 3:05:01 PM

─距離─

いつからだろう。

貴方と距離が出来てしまったのは。

同じ教室に居るはずなのに、

まるで透明な壁があるように感じたのは。

廊下ですれ違っても、

声を掛けてくれなくなったのは。

分かってる。分かってるつもりだよ。

そりゃ新しい関係も増えるし、

元からの関係を疎かにすることはあると思う。

でもさ、貴方は違う。

関係を最初からなかったことにしてるみたい。

私にはそう見えるよ。

ねぇ、もう私は貴方の中に存在してないの?

貴方にとって私って他人なの?


昔の貴方は、もう居ないの?

Next