人さがし

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11/29/2023, 10:22:52 PM

─冬のはじまり─

「うわっ…寒っ!」

外に出ると、吐いた息が白くなる程寒かった。

手袋とか持ってくるべきだったなぁ…。

『あっ!やっと来た!』

『お前遅いよ、こっちはめっちゃ寒いのにさ!』

「いや~ごめんよ?朝布団から出られなくて…」

『確かに分かるけど…!』

そんなくだらない会話だけでも、心がほっとする。

嗚呼、また1日がはじまるんだな、って。

『…おーい。聞いてる?』

「…え?何が?」

『だーかーら!一緒に返ろうぜって話!』

「あぁ、それね」

『それねじゃねぇよ、お前聞いてなかっただろ!』

そんな会話も今年で終わり。

こいつと過ごす、最後の冬。

でもまだ冬は、はじまったばかり。

11/28/2023, 11:51:09 AM

─終わらせないで─

お願いだから、終わらせないで。

貴方の冷たくて、悲しい言葉で。

私の心を、一番傷つける言葉で。

せめて言うなら、私からがいい。

私の悪いところを直すとか、

貴方を引き留めたりしないから。

だから、お願い。

二人の最後くらい、別れの時くらい。

私のお願いを聞いて?

私の言葉で、後悔のないような終わり方にさせて。

11/26/2023, 10:11:00 PM

─微熱─

朝起きると、なんとなく体が怠く感じた。

動くことは出来るが、万全という訳ではない。

使わない棚の上にあった救急箱。

そこから体温計を取り出す。

熱を計ってみると、37.2度と微熱だった。

今日は休日。何も予定は入っていない。

…休日くらい、ゆっくりしてもいっか。

私は布団に潜り、また眠ろうとした。

窓からさす太陽が、ほんのり暖かい。

近くにある大通りのいちょうが、

太陽に負けじと輝いているにも気がついた。

ほら、秋はすぐそこ。

ただの休日でも、秋は見つかる。

11/25/2023, 10:20:18 AM

─太陽の下で─

近所にある、人が居ない公園。

意外と広くて、少し大きな道がある。

遊具もブランコと滑り台があるが、

子供が来た所を見たことは一度もない。

でもそんな公園が、大好きだった。

春は桜の雨が降る公園に。

夏は蝉の声が響く公園に。

秋は紅葉の綺麗な公園に。

冬は白いっぱいの公園に。

まるで人間の表情のようで、綺麗なんだ。

本を読んだり、歌を歌ったり、写真を撮ったり。

全てが綺麗で、楽しいけれど、一番好きなのは秋。

暖かい太陽の下で、ゆったりと本を読む。

ふと落ちてきた枯れ葉に目を奪われたりして。

そんな秋の公園が、僕は好き。

11/23/2023, 3:23:26 PM

─落ちていく─

私は今、落ちている。

まるで海みたいに蒼い空のような。

まるで桜が浮いている川のような。

そんな綺麗な景色へと、私はゆっくり落ちていく。

いつもは上にいる鳥達も、今は私が上に居るようで。

今までなかった自由すら、今は私の羽になっている。

耐えられなかった世界すら、今はこんなにも美しい。

花のなかった生活も、やっと自由になってゆく。

息苦しかった生活も、やっと幸せになってゆく。

さぁ、もう少し。怖がる必要なんてない。

ただ目を瞑って、落ちるだけ。


お久しぶりの作者です。
ハート1500いきました!ありがとうございます!
ここまで来たら小説家の夢を持ってもいいでしょうかね…?
これからはハート500ごとに報告させていただきます。
これからもよろしくお願いします!
以上、作者でした。

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