人さがし

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4/24/2023, 10:55:08 AM

─ルール─

三日月を見上げる1人の男は、
“いつかこの心の寂しさは消えるですか。”
と訴えるように言った。
会いたい人はなんで自分で決められないのかを考えながら。

過去を悔やんでいるように見える1人の男は、
“あの時の選択は正解だったのですか。”
と静かに言った。
世間の言う正解が何か考えながら。

全てを綺麗と言う1人の少女は、
“私は綺麗に入るのだろうか。”
と綺麗な花を見ながら言った。
綺麗の基準を考えながら。

他の人も、世界の何処かで呟いていた。
“平和を最後まで見届けたい。”と願う者。
“何故見た目だけでいじめられないといけないのですか。”と悲しそうに言う者。
“笑っている彼女といつまでも一緒に居たい。”と心から言う者。
“彼女に好きと伝えればよかった。”と後悔する者。
何故そんなことを言うのかはわからない。
それぞれの『人生』という物語の中に何かあるのかもしれない。

ただ皆の元に答は届かないだろう。
それが世界のルールだから。
彼らの物語の主人公は、彼ら自身なのだから。
他の人が、勝手に決めることじゃないのだから。


この話は、今までの登場人物について考えたものです。
興味ない人は飛ばしていいです。
ただ、気になった人は今までの話も読んで欲しいです。
あとハート200超えました!ありがとうございます!
以上、作者より

4/23/2023, 12:21:43 PM

─今日の心模様─

暇だったからいつもは着けないテレビを着けた。

『今日の心模様は?』

そんな質問が表示された。

丁度暇だったのでテレビの質問を考えた。

寂しさを誤魔化すように。

でもこの寂しさは消えない。

心模様を考えたら、

ぐちゃぐちゃな模様が一番に思い付いた。

何故そんな模様になったか考えると、

答は毎回【寂しいから】という答にたどり着く。

嗚呼、夜がこの寂しさを消してくれたらどれだけ楽だろうな。

そう思って空を見た。

とても綺麗な三日月だった。

明日の心模様はなんだろうな。

「明日はこの三日月みたいな綺麗な模様がいいな。」

寂しい夜に空を見上げる男が1人、三日月の下に立っていた。


作者より
今日は本当に綺麗な三日月でした。
寒いですが気になった人は是非見て下さいね。


4/22/2023, 10:09:54 PM

─たとえ間違いだったとしても─

あの日の選択は間違いだったのだろうか。

君を止めるのが正解だったのだろうか。

君があの日、

『親を殺したい。』

なんて言わなければ、

こんなに悩まなかったのだろうか。

一般的な正解は【止める】なんだろう。

ただ僕は、君の親の醜さを知っていたから。

だから止めるという選択肢が、

君を傷つけるナイフのように見えたんだろう。

君の親は、君を虐待していたから。

一番痛い、言葉のナイフで。

たとえ君が死んでも、親のせいにはならないから。

だから君は、“責任から逃げようとした”

親を殺したいと言ったんだろう。

あの日、僕が止めたら君は自殺していただろう。

この選択が正解じゃなくても、たとえ間違いだったとしても、

君には楽しい人生を送って欲しいから。

だから僕は、君を止めないよ。

4/21/2023, 12:30:59 PM

─雫─

世界は綺麗だ。

ただの雫でさえ、光が当たると綺麗になる。

ただの雪でさえ、綺麗な景色を生み出す。

景色だけではない。人の命も綺麗だ。

一生懸命頑張っている人。

自分の好きを貫いている人。

ただの一般人だって。

何かをすれば何かになれる。

全てが綺麗だ。植物、動物、自然。

世界にある全てが綺麗。

でもその綺麗を“自分が正しい”と思っている奴が潰す。

それが嫌だ。自由な人こそ綺麗だ。

人とは変わった考え方だが、それが私の思う綺麗だ。

4/20/2023, 11:19:40 AM

─何もいらない─

神様が居るなら、僕は言いたい。

何故。

何故彼女が生贄なのですか。

昔からこの村の制度は可笑しいです。

村の幸せの為“だけに”人が死ぬなんて可笑しいです。

この制度は、神様が言ったから始まったと聞きました。

何故こんな制度を創ったのですか。

こんな制度がなかったら。

彼女は、彼女は死ななかったのに。

...なんて、神様など居ないと分かっていながら言った。

今日は僕の最後の日。

何故なら僕が生贄になったから。

後悔なんてものはない。

彼女が居なくなった世界で、

僕が欲しいものは何もない。

何もいらない。

嗚呼、神様はなんでこんな時は救ってくれないのだろうか。

最後くらい、救って欲しかったな。

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