─ルール─
三日月を見上げる1人の男は、
“いつかこの心の寂しさは消えるですか。”
と訴えるように言った。
会いたい人はなんで自分で決められないのかを考えながら。
過去を悔やんでいるように見える1人の男は、
“あの時の選択は正解だったのですか。”
と静かに言った。
世間の言う正解が何か考えながら。
全てを綺麗と言う1人の少女は、
“私は綺麗に入るのだろうか。”
と綺麗な花を見ながら言った。
綺麗の基準を考えながら。
他の人も、世界の何処かで呟いていた。
“平和を最後まで見届けたい。”と願う者。
“何故見た目だけでいじめられないといけないのですか。”と悲しそうに言う者。
“笑っている彼女といつまでも一緒に居たい。”と心から言う者。
“彼女に好きと伝えればよかった。”と後悔する者。
何故そんなことを言うのかはわからない。
それぞれの『人生』という物語の中に何かあるのかもしれない。
ただ皆の元に答は届かないだろう。
それが世界のルールだから。
彼らの物語の主人公は、彼ら自身なのだから。
他の人が、勝手に決めることじゃないのだから。
この話は、今までの登場人物について考えたものです。
興味ない人は飛ばしていいです。
ただ、気になった人は今までの話も読んで欲しいです。
あとハート200超えました!ありがとうございます!
以上、作者より
─今日の心模様─
暇だったからいつもは着けないテレビを着けた。
『今日の心模様は?』
そんな質問が表示された。
丁度暇だったのでテレビの質問を考えた。
寂しさを誤魔化すように。
でもこの寂しさは消えない。
心模様を考えたら、
ぐちゃぐちゃな模様が一番に思い付いた。
何故そんな模様になったか考えると、
答は毎回【寂しいから】という答にたどり着く。
嗚呼、夜がこの寂しさを消してくれたらどれだけ楽だろうな。
そう思って空を見た。
とても綺麗な三日月だった。
明日の心模様はなんだろうな。
「明日はこの三日月みたいな綺麗な模様がいいな。」
寂しい夜に空を見上げる男が1人、三日月の下に立っていた。
作者より
今日は本当に綺麗な三日月でした。
寒いですが気になった人は是非見て下さいね。
─たとえ間違いだったとしても─
あの日の選択は間違いだったのだろうか。
君を止めるのが正解だったのだろうか。
君があの日、
『親を殺したい。』
なんて言わなければ、
こんなに悩まなかったのだろうか。
一般的な正解は【止める】なんだろう。
ただ僕は、君の親の醜さを知っていたから。
だから止めるという選択肢が、
君を傷つけるナイフのように見えたんだろう。
君の親は、君を虐待していたから。
一番痛い、言葉のナイフで。
たとえ君が死んでも、親のせいにはならないから。
だから君は、“責任から逃げようとした”
親を殺したいと言ったんだろう。
あの日、僕が止めたら君は自殺していただろう。
この選択が正解じゃなくても、たとえ間違いだったとしても、
君には楽しい人生を送って欲しいから。
だから僕は、君を止めないよ。
─雫─
世界は綺麗だ。
ただの雫でさえ、光が当たると綺麗になる。
ただの雪でさえ、綺麗な景色を生み出す。
景色だけではない。人の命も綺麗だ。
一生懸命頑張っている人。
自分の好きを貫いている人。
ただの一般人だって。
何かをすれば何かになれる。
全てが綺麗だ。植物、動物、自然。
世界にある全てが綺麗。
でもその綺麗を“自分が正しい”と思っている奴が潰す。
それが嫌だ。自由な人こそ綺麗だ。
人とは変わった考え方だが、それが私の思う綺麗だ。
─何もいらない─
神様が居るなら、僕は言いたい。
何故。
何故彼女が生贄なのですか。
昔からこの村の制度は可笑しいです。
村の幸せの為“だけに”人が死ぬなんて可笑しいです。
この制度は、神様が言ったから始まったと聞きました。
何故こんな制度を創ったのですか。
こんな制度がなかったら。
彼女は、彼女は死ななかったのに。
...なんて、神様など居ないと分かっていながら言った。
今日は僕の最後の日。
何故なら僕が生贄になったから。
後悔なんてものはない。
彼女が居なくなった世界で、
僕が欲しいものは何もない。
何もいらない。
嗚呼、神様はなんでこんな時は救ってくれないのだろうか。
最後くらい、救って欲しかったな。