子供の頃、ピアノを習った。
でも、全然練習せず、自分にピアノは弾けないと決めつけ、数年で断念。
片付けができない。整理整頓ができない。苦手なことがいっぱいあったけど、なんとなく逃げていた。対人関係の苦手さは、相手が悪いと決めつけていた。
あの頃の私へ
自分のために、時間を使える時期は、人生で貴重な時間。やると決めたなら、できる、できないではなく、まずはできる限り一生懸命やってみよう。大人になって、必要に迫られてから習慣化するのは、すごく大変だよ。
大人になった私へ
人生まだまだこれから。気付いた時が始める時だよ。
「逃げれば逃げるほど、鬼は追いかけてくる。」
子供の頃、学校嫌いでちょくちょく休んでいたある日、父に言われた言葉。
私は何から逃げていて、何に追いかけれていたんだろうか。
こだわりが強いくせに、自分の考えを人に言えない自分。一歩外にでたら、愛想良く笑って、何ともない顔をして、でも、人に合わせて思ってないことを言ったりやったりすることに、嫌悪感があって。だから、人といることに、すごく疲れて、誰にも会いたくなくて、耳をふさいで目を閉じて、布団の中にうずくまってじっとしていたい感覚。
学校に行かないことはできても、他人と会わないことができたとしても…自分自身からは逃げられない。自分の言動に嫌悪感を抱いて生きている限り、苦しいまま。
それに気付いたのは、大人になってから。
苦手なものは苦手なままだし、うまくいかないこともたくさんある。でも、自分の生き方に納得できるように。自分の人生に、責任が持てるように。逃げられないのではなく、逃げないことを選ぶ。そうすれば、鬼はいつか怖くなくなる。
いつかテレビで、ハイパーレスキュー隊員さんの奥さんが言っていた。ご主人の配属が決まった時、隊長さんから、「どんなにケンカしても、出勤時は笑顔で送り出して下さい。一度出勤したら、もう戻ってこないかもしれないから。」と言われた、と。
それを見て考えた。命懸けで人を助けている人たちに比べたら、何万倍も低いリスクかもしれないけれど、誰だって、いつ、何があるかなんて、わからない。いつ、突然の別れがやってくるかもわからない。
だから、何があっても、寝る前とでかける前や送り出す時は、笑顔で、機嫌良くいようと決めた。いざというときに、後悔しないために。
穏やかな毎日が続きますようにと、そんな願いを込めて、今夜も言う。「お休みなさい。また明日ね。」
透明なもの
水、空気
それなしでは生きられないのに
ついついありがたさを忘れる
透明な音
オルゴール
心が静まりかえっていくような
そんな音
朝、スッキリ目が覚める。
軽くストレッチと瞑想をして、穏やかに家事をする。布団あげ、洗濯、朝ごはんのしたく、お弁当作り。使ったものはすぐに片付け、家の中はスッキリしている。
気持ち良く夫と子どもたちを送り出す。
お皿を洗い、家のなかを片付け、余裕をもって早めに出勤する。
みんなに挨拶をし、情報を整理し、スッキリした頭で勤務をスタートする。いつも穏やかで、冷静で、客観的に物事をみることができる。トラブルがあったら、前向きな改善策を考え、スムーズに行動にうつす。人の話をよく聴き、ニーズに応じて柔軟に動く。勤務時間は仕事を頑張るけど、終わったら家族との時間と自己研鑽の時間を大切にする。毎日少しずつでも勉強を続ける。ピアノを弾く時間をつくる。夫や子供と話をし、話を聴き、感謝の気持ちを伝える。夕食後は皿を洗い、片付けをし、子供と一緒に布団に入り、幸せな気持ちでぐっすり眠る。
あれ?「理想の私」だと思って書いたら、テーマ「理想のあなた」だった?
理想のあなたは、こんな私の側で笑っていてくれる人。お互いを尊重し、リスペクトしながら、生きていける人。