藤直

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6/10/2023, 10:18:25 AM

沢山ある

海外に行きたい
あの空気を感じたい

一つの物語を書き終えたい
あの頃みたいに

一つのことに
何も不安なく情熱をもやしたい


そしてもう一度
君と歩きたい
あの街を



♯やりたいこと

6/6/2023, 12:46:36 PM

君の口ぐせ
なにかあるたびに
「サイアク」
とはきすてるように呟く

そのとがらせたクチビルが可愛くて
わざと困らせることをした

いつからか
その言い方も
とがらせたクチビルも
イライラするようになり

僕たちの間には
冷たく風が吹くようになった

どちらかが言い出したら
僕たちは終わる

僕から踏み出した一歩を
君は待っていたかのように
「最悪」
と笑みを浮かべた

そこに子どもみたいにとがらせた唇はなく
ほっとしたような
優しい笑みと涙目

僕たちはとがらせたクチビルを捨て
大人になった



♯最悪

6/1/2023, 10:08:15 AM

空気が何層にも重なったみたいだ
ギリギリ見えそうなほどの水分の粒
かきわけるように
重い空気のなかを進む

じわりと肌が湿り
息が苦しくなる
ぼくはうんざりする

ふと
道端に目をやると
生き生きと色づく紫陽花

たまに見せる晴れ間の虹

重いだけじゃない
気持ちは晴れる色合いもある

だけど
重い空気はやっぱり苦手だ


♯梅雨

5/29/2023, 10:00:37 AM

「ごめんね」

そんな一言で
わたしたちの5年間は締めくくられた

わたしの思いは
宙ぶらりんで
言葉が出てこなかった

ありきたりの
ごめんねで済んだら警察なんていらない
という言葉が
頭の中をぐるぐるかけめぐり

それはぽろりと涙になってこぼれる

涙を見ても
慌てない姿に

本当の終わりを感じて
ますます何も言えずに
すがりつきも出来ずに

そっとその場を離れた

思い出したら
嫌味の一言も
張り手の一つも
すれば良かった
都合のいい別れ方
そんなの
相手の都合がいいだけ

いつか出会ったら
キラキラな姿を見せて
嫌味を沢山言ってやる



♯「ごめんね」

5/28/2023, 3:01:50 PM

夏になっても
半袖を着ないキミ

わざと
長袖をまくりあげて
過ごす

第2ボタンまで開いて
あざとさ満開

なのに
ふいに出会った街中で
半袖を着ていて
それがもっと新鮮で

鮮やかに目に焼き付いてはなれない

もう
キミしか見えない


♯半袖

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