7/5/2025, 7:26:50 PM
寄せては返す、夕凪の
淡く光るやわらかな海
儚く小さな波たちの
その囁きに
眠る大海の記憶
それは過去から届く
生命の波紋で、
この星が見る夢なのだ
いつか私も、私たちも
そこへ還ることになる
星のゆりかご
波音の子守唄
巡ってゆく
すべてのものたち
「波音に耳を澄ませて」
7/4/2025, 4:20:54 PM
その日の晩、
青い風が吹いたので
その時が来たのだと理解した
「青い風」
7/3/2025, 4:18:38 PM
「どこか、遠くへ行きたい」
ぽつりと零れ落ちた
小さな祈り
「どこへ行きたいの?」
そう、あなたに尋ねてみても
瞳は茫洋として
空を見つめるばかり
たぶん、あなたは
そこに行きたいのではなく、
そして
遠くへ行きたいのでもないんだね
ここから逃げだして
そして
ここから遠い遠い地でならば
安寧を得られると信じたいんだね
だけどだめだ、
その祈りは届かず
その願いは叶わないだろうさ
だって、あなたの敵は
あなたの心にこそあるのだから
「遠くへ行きたい」
7/2/2025, 5:45:39 PM
月光の下、鈍く光を乱反射する
青く透明な記憶のかけら
その残響は虚しく響き
未来は未だ過去に囚われる
太陽を失った、私たちの世界
終わりは近く、祈りは絶えた
それでもまだ、
遠い夜明けを夢見て走る
あなたの松明のような光!
それは私たちの唯一の恒星だった
私は過去を夢みているのだろうか
それとも
未来を時の隙間から垣間見ているのか
蒼い蒼い月の海に
クリスタルでできた記憶の砂浜
私はひとり、波打ち際で
静かにその時を待っている
「クリスタル」
2/4/2025, 6:09:02 PM
たとえば、
地に落ちて
泥まみれの羽で
冷たい雨に打たれ震える時でも
綺麗な
綺麗な
綺麗な景色だけみていたい
目を見開いた先
灰色の空ばかりでも
目を閉じた時瞼に映るのは
鮮やかな
鮮やかな
鮮やかな永久の花園
そういう夢がいいの
そういう夢がいいの
そういう息を吐くの
「永遠の花束」