よしだ

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4/27/2024, 5:27:00 PM

 ──生きる意味とはなんだろう。

 きっと、むかしむかしからたくさんの人が考えてきた難題だ。未だにこれ!という解が見つかっていない難問中の難問。でも妥当だと思える。生き物の根源に関わる問いだから。

 だって、ね、生きることって大変だもの。辛いもの。だけど、死ぬのだって訳が分からなくて怖いからさ。死んだ人には聞けないものね。死ってどんなものですか?生とはどんなものでしたか?って。

 生きる意味。それはふと眠る前のある瞬間に、冬の道を歩いている時に、今まで心血注いで努力してきたことが全て無に帰した瞬間に、我が子を始めて腕に抱いた時に、道端で誰かの死を見た時に、自らが今まさに死に向かおうとしているその刹那に。きっときっと、みんな考えただろう。

 そして、答えが出た人もいれば、出なかった人もいるだろう。けれど、その過程や、答えは人によってやっぱり違うだろう。人どころか、その時、その場面ですら違うだろうさ。

 でもそれは当たり前で。だからこそ生物の素晴らしさ、生の尊さを、閃く火花や遠くで煌めく恒星のように輝かせるのかもしれない。

 私の生きる意味はなんだろう。簡単に答えてしまいたくない、重みのある問いだ。さっと答えが出るものでもない。

 だけど、今死にそうだから今!今すぐ答えて!!と誰かに言われたら。私は、私が愛し、私を惜しむ人の為に生きている、と答えるかもしれない。死ぬのが痛くて寂しいからでもいいけれど。


“生に意味などなく、また死に意味もなし。故に我らは、ただ生を続け、そして繋げてゆくだけなのだ”


 そんな格好付けたこと言えたら良かったけどね。でも生憎と、私はそんな風に生きちゃいないから。

 兎に角、私の世界は生きるには苦しみが多すぎて、死ぬには未練が多すぎる。なれば、せめて死にきれない分だけは、大切なものたちの傍で生きていようかなと思うのだ。それが多分、“生きる意味とは”という問いに対する、今この時の私の答えだ。


「生きる意味」

4/26/2024, 12:48:57 PM

善悪というものは
その時代その場所その理由で異なるもので
例えば殺人とて
ただ徒に殺すのは悪だけれども
罪人を処刑するのは善であると
そういう人、土地、国もある

ただまあ善悪という概念が時により
うつりかわる曖昧なものであるからといって
それが全くの無意味で
無価値なものであるかといえば
それは違うだろう

善悪というものは
人間が繁栄・生存する上で必要として
発明された道具であるから
そりゃあその時その時使い易いように
作り直されるのは当然といえば当然で
ならば生きていく上で
とくに注目すべきだと私が思うのは
製造者と、使用者だ

大方、暫くの間雛形を作るのは暇人だ
要するに哲学ができる人と
生存の為の行いを他人がやってしまう人
人を使う人

そしてその雛形を大多数の民が
「それで良し」「いたし方なし」
とすれば完成だ

しかしそれもそろそろ変わるらしい
或いは戻ると言った方が正しいのか
兎にも角にも善悪とはなにか
考える知恵と暇を持てる人が増えたということだろう

***
尚、上記の「善悪」は人の善悪であり
神の「善悪」ではないものとする

「善悪」

4/25/2024, 3:13:54 PM

願わくば
安らかな眠りが
毎夜訪れますように

悪夢が除かれますように
安寧を夢見続けられますように

美しい夜でありますように

「流れ星に願いを」

4/24/2024, 7:40:10 PM

ルールを守る人
ルールを破る人

ルールに守られる人
ルールに傷つけられる人

ルールがあることに安心する人
ルールがあることに不満を持つ人

ルールを盲目的に信じる人
ルールを懐疑的な目で見る人

ルールを守らない他人に怒る人
ルールを守らない他人に無関心な人

ルールを作る人
ルールを変える人
ルールを破棄する人
ルールを都合よく解釈する人
ルールをそのままの意味で捉える人

ルールは決して人だけの特権ではないけれど
これほどまでに多彩に
そして生命としてのあり方を歪めるまでに
「ルール」を愛する生き物はいないだろう

良くも悪くも、私達は「ルール」の虜だ
虜だから、まだあんまり上手な付き合い方が
出来ていないのかもしれない

あったらなんだかんだ文句垂れるけど
なかったらなかったで不安になるなんて
なんと不思議な人の心

鎖は程々に
道理至極であるように
愛と優しさをひとさじずつ
それくらいのルールがいい

「ルール」

4/23/2024, 3:33:53 PM

どうして、この世の中には
恋のうたであふれているの?と
母に尋ねたことがある

私は恋知らぬ童女で
そのくせ世の真理を悟ったように
物知り顔で話す背伸びしたお子様だった

恋なんて、
発情期をオブラートで何重にも包んで
素敵なお砂糖菓子みたいに言っただけの
ただの繁殖の為の機能でしょ

なんて、恋をしたこともないくせに
知ったふうに

母はそんな私に一言だけ

「花だから」

と言った

訳が分からなくて
もっとちゃんと説明してよなんて詰って
それで母はふっと息をついて

「人生の花だから。恋ってのは」

そう言った

そうだ、それを聞いて私は
恋とはどんなものかしらと
本当の意味で興味を持ったのだ

私は愛を知っている
でも、恋は知らない

聞くところによると
恋っていうものは
多幸感と
苦しさと
見える景色の色彩の変わることと
人をまるっきり変える力と
嵐のように心を荒らす激しさと
時に命を育み
時に命を殺す
とんでもない力を持つナニカらしい

ちょっとそれ、それだけ聞くと
怪しい薬かなんかじゃないの?
とか思ったけど違うらしい

恐ろしいと思った
でもそれ以上に
そんなにも人を狂わせる
「恋」というものを味わってみたいと思った

私は今、一応大人と言われる年になって
それでも心模様は今日も相変わらず
恋知らぬまっさらな無地の青だ

世間で聞くようになった
恋をしない人なのかもしれないとか
たまに思うけど、でも、
己を未だ恋知らぬ乙女なんだと信じて
いつか
その嵐が心模様を変える日が来ることを
少し楽しみに待っている

「今日の心模様」

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