9/28/2024, 8:42:19 AM
「通り雨」
通り雨は孤独
木々を潤すにも もの足りず
池を満たすにも もの足りず
湖をかき混ぜる力もなし
川の流れを速める力もなし
恨めしげな野菜たち
悲しげな果物たち
それらを眼下にかすめ
すぐに渇いてしまう
所詮は 己の泪
通り雨は孤独
「通り雨」
9/16/2024, 2:13:34 PM
「空が泣く」
おんおんと
轟々と
空が泣く
この惑星の
この国の 夏 というものは
空が泣いていない時には
20分間 太陽の下にいたならば
人間は皮膚がんになるという。
危険指数が毎日出される、
まるでSFの世界のように
変わり果ててしまった。
そりゃあ 空も泣くだろうよ、
45億歳の 憐れな地球のために。
「空が泣く」
9/11/2024, 11:32:02 AM
「カレンダー」
1月から始まって
一枚ずつゆっくりと めくっていき
また1月に戻るような錯覚に陥らせるもの
カレンダーよ
お前のまやかしには のせられない
巡り巡って戻って来るだなんて
また新年だなんて
おめでとう だなんて!
あの人の心はもう
私のもとに戻りはしないじゃないの
「カレンダー」
9/9/2024, 11:50:47 AM
「世界に一つだけ」
このほしの大地や海の育んだものは
どれ一つとして同じものがない。
どこにでもあるものを
同じものを作ることは
姑息な人間がさんざんやっているが
世界に一つだけのものを
創り出すのにどれほどの才能と時間と労力が
必要とされることか。
それらの諸々を易易と創り出す事は
神の所業
「世界に一つだけ」
9/8/2024, 1:33:03 PM
「胸の鼓動」
瞳と
耳と
頭と
胸が
たしかにつながってるんだってこと
かくしたって かくしきれない
あなたの姿を見ただけで
あなたの声を聞いただけで
あなたのことを考えただけで
それだけで 高まる
この胸の鼓動ったら
「胸の鼓動」