「朝日の温もり」
理不尽な仕打ちや
心無い暴言の数々
にんげんとは 会いたくない
ことばなどは 口にしたくない
すべてを疎ましく思い
このほしすらも 恨む心にある時に
太陽を温かいなど 思えないだろう
けれど思い出すがいい
太陽の温度は46億年前から変わらぬのだから
変化しているのは あなたのこころのみ
人の心が変化するのなら
温もりを感じる心でいたほうがいい。
恨み、妬みの深い井戸から
遥か高いところにいる太陽を眺めたとて
温もりなど誰が感じられようか。
46億年 このほしを温めてきた太陽すらも。
あなた次第 こころ次第
さあ顔を上げて ほら 朝がくる
「朝日の温もり」
「誰にも言えない秘密」
私には
誰にも言えない秘密があるの
などと口にできる程度の秘密とやらは
本当はどうでもいい秘密
本当に誰にも言えない秘密は
時として 自分自身すらも騙し
あたかも 隠し事など無いよう
なかったことにしてしまう
恐ろしい 秘密
「誰にも言えない秘密」
「失恋」
私の想いは私の中のもの
あなたに伝える必要もなく
あなたに押し付けるでもなく
ただあなたの望みを慮るだけ
ただあなたの幸せを願うだけ
あなたの隣に私がいなくても
ただあなたの行く末を祈るだけ
私の中のこの想いがある限り
私は「失恋」はしない
テーマ「失恋」
「梅雨」
つ ゆ
口をすぼめて、よんでみる
まだあおい
まだかたい
まだ眠ったままの
まだなんにでもなれると夢見る
手のひらに ちょこんとまるまった
梅の実よ
あなたはこれから
なにになってゆくのか
紅く染められ
人々の眉を顰めさせるのか
酒に浸され
人々を酔わせ惑わせるのか
あなたの未来は
この梅雨がおわる頃に
決まるのだろう
あの空に虹のかかる頃に
決まるのだろう
「梅雨」
「無垢」
「貴女は純粋だよね」と
目を細めながらあなたはいう。
けれど私は微笑むだけで 返事をしない。
あなたに「私の全身で」
あなたに「私のすべて」
こころを傾けたわたしは……
そんな今の私は
「純粋」にみえたとしても
「無垢」ではないのを
私自身知っているから。
テーマ「無垢」