maria

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10/5/2023, 10:11:18 PM

「星座」


「あ、オリオン」
あなたの指差す方を見上げる。

鼓のような形を作るオリオン座

でも本当は
星と星との距離はとてつもなくあって
線でなんて繋がってもいない。
お互いもまさか
こんな地球のような宇宙の片隅で
小さな小さな人間が夜空を見上げて
星を勝手に線で繋いでいるなんて
思いもしないだろう。

お互いが向かい合って
言葉にできない想いを
何万年も 何十万年も 何百万年も
ずっとずっと心に積み重ねてきたとしても
自分たちでは決して
お互いを繋ぐことはできない哀しさ



だから
私はとなりに立つあなたをみて
静かに微笑むだけ



私達もまた 決して
つながることはできない哀しさ


            「星座」



10/4/2023, 1:13:46 PM

「踊りませんか?」



そばにいてもいいですか…

近づいてもいいですか…

あなたの目を見て

ほんの少しだけ

温かな手に触れてもいいですか。

その手を私の胸に当てて

私の鼓動をきいてくれますか。

私の手をあなたの胸に当てて

鼓動を聞かせてくれますか。

もしも もしもだけど

私とあなたの鼓動が同じなら

ねえ今から 



   踊りませんか?


        「踊りませんか?」

10/3/2023, 9:55:04 PM

「巡り会えたら」

あなたは初めて会ったときから
そこにいて微笑んでいた。

純粋で尊い魂に気後れした私は
後退りしてあなたから離れた。

私達は見つめあい
言葉をかわさず
互いを想った

目に見えるだんだん小さくなってゆく
あなたの姿は
離れれば離れるほどに
心の中でだんだん大きくなってゆく
その姿を両手で抱きしめて
私は踵を返し
あなたのいない世界で生きることにした。

私がかつて忌み嫌ったこの世界を巡って
私がかつて畏れ避けたこの世界を歩いて

巡るのは
時でもなく
運命でもなく
私自身

巡って必ず会いに来る

あなたが私を待っているから

あなたの隣に立つために
あなたと伴に居るために

あなたに愛をみせるため



       
        「巡り会えたら」


10/2/2023, 1:29:22 PM

「奇跡をもう一度」






死んだはずだった。
脳腫瘍の診断を受けて

吸った息を吐けて
四秒生きられて安堵した。

それを繰り返した2年間
いつ息が止まってもいいように
毎日遺書を書き換えた。

それが今年の検査で
脳腫瘍が消えていたなんて


奇跡をもう一度だなんて
もしも、もう一度
信じられないことが
起こったとしたら、
それは私にとっては
腫瘍の復活なのだから

私はもうこの世にいない



死んだはずだった私は

いま こうして生きている。



奇跡はたった一度で充分すぎる祝福だ。

        
         
          「奇跡をもう一度」

9/30/2023, 4:36:27 PM

「きっと明日も」

今日 できなかったことは

きっと明日も同じ

今日 わからなかったことは

きっと明日も同じ

今日 言えなかったことは

きっと明日も同じ

だけど今日 会えなくても

明日は私が会いに行く

私が起こすムーブメントは

「きっと明日も」という言葉をも

くだいて進む あなたのもとへ。

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