maria

Open App
8/20/2023, 2:02:23 PM

「さよならを言う前に」

夕陽の当たる
オレンジ色の校門の前で


「別にお前に嫌われたって構わない」


真面目な顔の君もオレンジ色に染まる。


「ただ」


「お前が周りの人から愛されて、
 幸せになってくれれば」

「だから……   」

これが君が僕からはなれた理由。


さよならを言う前に

一生忘れられないような言葉をくれるから

僕は今でもオレンジ色を見るたびに

切なくなってしまう。



       「さよならを言う前に」

8/19/2023, 2:11:08 PM

「空模様」


太陽を隠す一面の雲も
空を覆い尽くす真っ黒な雨雲でさえも
私の隣りにいる
あなたの表情を隠すことはできない。

晴れていても
曇っていても
雷雨であったとしても

空模様がどうあったとしても

揺らがないのは 

私のこころ模様。



あなたの表情をみるに

あなたのこころ模様も

きっと わたしとおなじ。



黙って見つめ合って ゆっくり微笑む

ふたりの こころ模様


           「空模様」

8/18/2023, 1:51:00 PM

「鏡」


鏡にうつる自分は

自分ではない。

左右が反対

心も反対

表と裏も反対

直視していられなくて

思わず目をそらすと

鏡の私も反対側に目をそらす。

離れながらも遠くからチラリと見ると

やはり同じようにこちらを伺う。


わたしはこの裏側のわたしと

どうやって折り合いをつけて生きて行けるか。



向こうの世界では

私と反対なのだから

裏の私ならば

すでに答えを持っているのかもしれない。

         
           「鏡」

8/17/2023, 2:27:55 PM

「いつまでも捨てられないもの」


たぶん おそらく きっと

うん 絶対に

告白なんてできない。

興味のないふりをして

こちらを見ていない時だけ

あなたの姿を遠くから瞳に焼きつける。



せめて夢の中なら ゆめなんだから

告白したっていいはずなのに

どうして夢の中まで

わたしときたらリアルのように

見てないふりなんかして

話しかけることもできやしない。

夢の世界だってわかっているのに

どこの世界にいっても

わたし は わたし

わたしという殻を

いつまでも捨てられないもの

どこの世界で巡り合っても

あなたの前に来ると

わたし は わたし

どこの世界で巡り合っても

わたし は あなたに恋をする



   「いつまでも捨てられないもの」

8/16/2023, 2:43:10 PM

「誇らしさ」


誇らしさ

それは朝日の出る前に
土から這い出て木に登り
誰からも教わらずとも
脱皮をする得も言われぬ美しい翅の蝉

それは母猫に見守られて
ヨロヨロしながらも
朝日に向かって立つ仔猫

それは小さな小さな種からエネルギーを貰い
ゆっくりゆっくり茎を伸ばし
太陽に向かい大輪の花を咲かせる向日葵

そしてそれは なにがあろうと
私を愛してくれる
最強のあなたの存在



そして ねえ 私も又
そんなあなたを愛する
誇らしさときたら。

わかる?

        「誇らしさ」



Next