「夜の海」
あかるくてやさしい
太陽の守護のもと
海の生き物たちは戯れるように
遊ぶかのように舞い泳ぐ。
けれども 銀色の凍えるかのような
月の光のもとでは
生き物たちは
食う 食われる 奪い合う
競い合い 生まれ
なにもわからず波に揉まれる中で
共に生まれたきょうだいが
瞬く間に死ぬのを目にする。
人間などには決してみせぬ
夜の海というのが きっと
ほんとうのすがたなのだろう。
つまりは
ほんとうのすがたなどというものは
明るい陽のもとでは
上手に本性を隠し 姿を表さない。
「夜の海」
「自転車に乗って」
歩くでもなく 走るでもなく
自転車に乗っていいことは
「あ、こんにちはー」と言いながら
サァーっと近づいて
あなたの反応を見る前に
「じゃあ またね!」と言いながら
スゥーッと紅い頬を
風で冷ますように消えられること。
なのになぜ
あなたときたら
「ちょっ!まてよ!!」
なんて云いながら
わたしのあとをついてくるのよぅ!
「自転車に乗って」
「心の健康」
そう、
こころが元気であることが
ほんものの健康ってこと。
こころが弱っていると
妬み、猜疑心、被害者意識、
ネガティブな方向にしか考えが進まない。
こころが弱っていると
胃に穴が開く
自らいのちを絶つ。
だから あなたのこころが
元気で健康でいられるように
私は笑顔を両手を拡げ放つ。
「心の健康」
「君の奏でる音楽」
「君は声は大きいし、
今までに散々文句を言われたし、
歯に衣着せないではっきり言うから
口は悪いけど」
それは、私が嫌われてもいいから
あなたが他の方に
尊敬される人でいてほしいから。
だから敢えて人が言わないことも言う。
あなたのこれからの人生に
私はいなくていいから
幸せになってほしい。
私があなたの周りの空気を
ただただ和ませようと願って
拙い手でゆっくりと楽器をひくと
「君の奏でる音楽は嘘をつけないね。
とても優しくて心地よい」
全部あなたに伝わっている。
あなたの言葉も
まるで奏でる音楽のよう
やはりあなたには かなわない。
「君の奏でる音楽」
「麦わら帽子」
夏休み
プールに行く途中
道の反対側に君を見つけた。
白いリボンの大きな麦わら帽子。
うつむいた君の顔は見えないけれど
友達と楽しそうに笑う声
名残惜しく思いながら
声をかけられなかった。
…………
夏休み
友達と遊びに行く途中
道の反対側にあなたを見つけた。
濃紺の野球部のキャップ。
声は聞こえないけれど
久しぶりにみた日焼けした眩しい顔に
恥ずかしくなって麦わら帽子で顔を隠した。
もしかしたらこの白いリボンが揺れて
私の気持ちをうっかり伝えてしまわないか
ドキドキしながら
声をかけられなかった。
ジリジリとした日差しと
夏休み 麦わら帽子の思い出
「麦わら帽子」