「もしもタイムマシンがあったなら」
真摯に生きる人
小狡く生きる人
暴力に訴えようとする人
弁舌で戦おうとする人
周りに態度を合わせる人
敢えてなにもしない人
愚痴ばかりで行動しない人
縄文時代
平安時代
戦国時代
明治時代
昭和時代
平成時代
そして令和
にんげんという生き物が
進化しているのか
それとも退化しているのか
各時代に行って
人々の姿というものを
実際に確かめたい
さて退化していたとしたら
未来へ行ってみた時
人類はどうなっているのやら
みたくもあり みたくもなし
「もしもタイムマシンがあったなら」
「今一番欲しいもの」
私が?
いいえ、
今一番ほしいものといえば
あなたが笑顔になるようなもの。
あなたがホッとして
あなたが安らかに目を閉じて
あなたが 温かな夢を見て
あなたが 朝目覚めた時
一番最初にその目に映すものが
この上なく素敵な1日を約束するような
そんなプレゼント。
「私が一番欲しいもの」が
自分のためのものではなくなる。
それが 恋
「今一番欲しいもの」
「私の名前」
ひとからよばれて
それは自分のことだと想像できるもの
わたしを わたしだと決定づけるには
私の呼び名は まだ足りない
「おねえちゃん?」
「苗字?」
「なまえ?」
「ニックネーム?」
例えば今際の際に
この世から魂が旅立とうとした時
なんと呼ばれたら
私はこの世に留まろうと思える?
残念ながら、わたしの心の奥底に
隠されたほんとうの真実を
まだだれも探り当ててくれておらず
きっと誰もわたしを
きっと誰も私の魂を
この世に引き止めてくれはしない。
未練を残さず わたしは消えるだろう。
「私の名前」
わたしを わたしと決定づけるもの
それを探り当ててくれる人を探すため
わたしは まだいきねばならぬ。
「私の名前」
「視線の先には」
私とあなたの好きな物。
ピアノ曲にチョコミントアイス。
チーズケーキにブラックコーヒー。
夜のドライブ。
隣のシートに座って
同じ夜景を見て お喋りして
同じ風に当たって 笑い合って
遠くの街の花火を見て 歓声を上げて
同じ曲を聞いて 語り合う
花火の終わった夢から覚めた暗い夜空に
曲の終わった静寂の中
私の視線の先には
星のない空。
これから雨になると
あなたの浅い眠りを妨げやしないかと
あなたのことを心配してる。
あなたの視線の先には
空を見上げるわたし。
私があなたから視線を外して
黙って空を見上げているから
自分から離れていくのではないかと
わたしのことを心配してる。
ふたりの視線の先は交わらないけれど
心はこんなに
指と指を絡め合うように
しっかりと結ばれている しあわせ。
「視線の先には」
「私だけ」
日本一やすい店
日本一うまいラーメン屋
日本一のたい焼き
これらが真実だったとしても
言い張っているだけだとしても
私には確かめようがない
日本一大きな湖
日本一長い川
これらも私は自分の足で
確かめたわけではなく
地図で見て
そう言われるのなら
そうなんだろうな と
想像するだけのこと
日本一高い山 富士山
これは自分の目で確かめられる
まことの日本一
あなたの目を見て訊ねる
「私だけ?」
「そう。きみだけ」
あなたの唇からでたその言葉も
自分の目で確かめられる
まこと であったらいいのに
「私だけ」