7/2/2024, 8:43:27 AM
窓越しに見えたのは、クラスの静かな図書委員の姿だった。黒く長い髪と、縁の細い眼鏡で、静かだけれど、奇妙な美しさがある少女だった。
彼女はちらりと周りを見渡して、スカートのポケットから色つきのリップを取りだした。学校では禁止されている、色つきリップ。つけてる女の子たちは沢山いるけれど、彼女が持っているのはいつも色のつかない、薬用の透明リップだった。
少し震える手で、リップの蓋を外してゆっくりと唇に添わせる。綺麗な形の唇が花開くようにピンクに染まるそのさまから、僕は目を離せなかった。
ぷる、と瑞々しい唇があ、と言うように開いた。
思わず顔を上げると、彼女の切れ長の目と目が合う。
いつもよりピンク色の唇と、恥じらいで赤く染った頬に、僕はどうしようもなく、欲情している。
6/15/2024, 5:21:54 AM
今日の空は曖昧だ。
曇りにしては明るいし、晴れにしては暗い。
太陽が覗いたり、隠れたり、
僕はこの天気を何て言うのか分からない。
君は言った。
これが女の愛よ。
5/24/2024, 10:08:56 PM
あなたは、あなたが思っているよりずっと、
あの人に想われていたんだよ。
5/23/2024, 8:19:31 AM
また明日、
君に会えるとするなら、
僕は何て言うだろう。
その言葉を、僕は火葬場で考えている。
君は灰になった。
5/22/2024, 9:25:19 AM
才能は透明である。
何かを通して初めてそこに才能があるのだと気づく。
幼い少女の才能は、
私の18年間の努力を通して見つけられた。
透かされた私の18年は、何に為り得たのだろうか。