初めて君が抱いてくれたあの日。
痛かったけど、心地よさを初めて知った。
君の「大丈夫?」という優しい言葉が
君と一つになれたことが「愛される」ことかと知った
それまで私は「愛される」ことを知らずに生きてきた
家族とか友達とか「普通」に親しくしてきたけど、
そこに「満たされる愛」は見出せずにいた。
でも、君と出会って初めて「愛しい」という言葉を習った。
硬い雪に覆われてカチカチに凍った心臓が
少しずつ愛という陽だまりで溶かされ再び動き出した
あの日の温もりはそれ程までに春を呼んだ。
夢の中で私の背中についていた白い翼。
その白い羽根を眠りから覚めた私は手に握っている。
おまじないの言葉とかそんなの知らないけど、
夢の中の私は現実の私のこれからだと思う。
きっと、この羽根は冒険の旅に出かける翼となるから
もし魔法が使えるなら、
お題を見るとついそう思ってしまう。
でも、本当に魔法が使えるなら
ぎこちなくなってしまったあの人との関係をやり直す
そんな時間を戻す魔法が欲しい。
あの時の失敗を思い出して回避したい。
笑顔で話せたあの頃に戻りたいと心底思う。
「私が絵を描くから、あなたは物語を考えて?」
二人で一つの漫画家として今があるのは
夫婦で二つの生きがいを持てたのは
君が言ったそのひと言がきっかけだった。
あの日は、僕にとって激しい涙が降った最悪な日で
君が僕に励ましのつもりで言っただろう君の提案は
棚から牡丹餅のような初めて君と見た虹だった。
夜空を駆ける流れ星のように
誰かの願いを叶えられるなら
私は亡き姉の実らぬ恋を叶えたい。
「姉はあなたの心の傘になりたいと言っていた。
その遺志を引き継いで悲しい時は
姉の書いた詩を読んでください。
きっと、あなたの救いになるでしょう」
姉の書いた詩は人生応援ソングみたいな内容が多いが
たった一つだけ明るい恋物語のような詩がある。
それを姉は死の間際に書いて私に託した。
姉の片想いの人、妻帯者のあの人に届けて欲しくて。