ネジが外れたウサギ

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1/8/2025, 3:15:10 AM

二刀流のハラスメントを受けて私の心はズタズタになった。

声をあげたくてもあげられない。

それが非正規雇用の身の定めなのか?

私は逃げるように職場を去った。


一度は死を覚悟したものの、

それでは私がアイツらに負けを認めると思った。

だから、一心発起して再就職を目指して職安に通った


しかし同じ事務職の求人を求めても、逆にない。

あれとすれば医療事務の求人。

私には資格を取得するお金がなかった。

両親とも親戚とも今は連絡を取り合っていない。

頼るところがなくて貯金を切り崩して生活している。


いったん就職を諦めてバイトをすることを決めたが

私の技量を発揮できそうなところがない。


追い風はいつまでも続くだろう。

1/4/2025, 3:04:08 AM

初日の出の写真を見せてくれた君の目は輝いている。

病気で入院している私に

君は少しでも元気づけようとしてくれてる。

「退院したら一緒に見ようね」

そのひと言が嬉しいはずなのに

ズーンと生理痛のように痛かった。

手術をすれば治るって主治医の先生は言うけれど

手術をしたらデートに行けるって君は、はしゃぐけど

もしかしたらを予想して怖くなる。


でも、君はこう言った。

「失敗すると不安になると事故は起きるかもだから

俺はあの先生を信じてる。

愛想がなくて嫌なとこもあるけど、

ベストな手術をしてくれるって信じてる。

ミユのラッキーカラーはサーモンピンクだから

このマニキュアを塗って手術に臨んで?

初日の出みたいに綺麗だし」

って私と君は笑い合った。


そして、私より器用な君が塗ってくれたマニキュアを

私は窓の外の水色の空に飾った。


「私に初日の出が現れた記念日は

ハル自身の特別な夢が叶う記念日でもあるように

祈っているからね!」


そう言って私は君とハグをした。

12/28/2024, 4:29:37 AM

春生まれの私の今年の誕生日プレゼントは

指先に桜色のアクセントが付いたえんじ色の手袋。

「春なのに」と思いつつも冬が恋しくなった。


そしていま。

毎日、自転車に乗って勤め先に向かう途中。

冷たい風による攻撃から手を守ってくれるあの手袋は

春の日向ぼっこをして

ずっとこの日を待っていたかのように暖かい。

指先に咲く桜のアクセントを見つめるたびに

心に一足早く春がきたようで

冷たくて重たい朝も少し、軽くなる気がする。

12/23/2024, 6:22:55 AM

毎年、冬至の日になると実家ではゆず湯に入った。

風呂の中にゆずの香りが漂って

「風邪をひかなないように」の言い伝えのご利益を

感じられる気がしていた。

一人暮らしを始めて今年が初めての冬至を迎える。

今年はゆずを買わずに

近所のスーパーで買ったゆず風味のカップ焼きそばで

ゆずの香りを楽しもう。

12/22/2024, 5:54:20 AM

私の地元は家がぽつんぽつんとまばら点在していて

その家々に囲まれるように田園が広がっている。

冬でも晴天の日は見晴らしがいい。

空が大きくて鳥も悠々とのびのびと飛んでいる。

その青い空に落書きをするように

飛行機が雲を描きながら通り過ぎる。


「明日は雨が降るだろう」


いつかの誰かがそう言ったのを思い出す。

もしそうならこの『絵』を切り取ろうか。

明日になればわかるし、未来の天気予報になる。


私は今日もまた何気ない空をスマホで撮る。

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