夢の中で私はどこかに向かって空を飛んでいた。
ハンドルを取られるような強い風。
しかし、低空飛行で飛んでいるこの空は限りなく青い
明るくて太陽の日差しが眩しい。
心地よい旅だ。
ガサっ
と何か大きな音がしたと同時に
私は突然、自分の翼をコントロールできなくなった。
翼のどこかに痛みが走る。
私はどんどん力尽きて地上に落ちていく。
ドンっ
地面に落ちたときのような鈍い音ではなく
誰かに受け止めてもらったような優しいドンっ。
失いかけた意識を取り戻しながら
うっすら目を開ける。
人間の男だろうか。
髪は短髪で目を細め優しく微笑んでいる。
私はその人の温かい両手の中で受け止められている。
見覚えはないけど、
聞き覚えのある声でその人は言った。
「大丈夫だよ。俺がそばにいるから」
その声だけがどこかひんやりとしていた。
仲のいい夫婦を見ると微笑ましいと思う。
私の両親はお見合い結婚だけど、
ちょっとしたケンカもしながら
仲むつまじくお互いに手を取り合って暮らしている。
今の私には彼氏はいない。
だけど、両親を見て「これが幸せなんだ」と
結婚したいなと、しみじみ思う。
今は出会いの場が増えた。
だからこそ、新たな価値観の恋愛が生まれている。
うまく言えないが、
近年、新時代の恋愛の形が様々な年代の人によって
作られたと思う。
もし、結婚できるなら
亭主関白とか妻の尻に惹かれるとかではなくて
釣り合った天秤にかけた関係でいられたらと思う。
そんなの理想の高すぎる綺麗事だと分かってる。
でも、子供が生まれた時
彼らが幸せを感じられるのはそんな両親だからこそ
虐待がなく『普通』に暮らせるだろう。
私の経験上。
おしどり夫婦の両親でも
子供の不登校は避けられない場合もある。
ただ、その原因を少しでも減らすには
いじめる側の子の心を愛せる親の余裕が必要かと思う
幸せな夫婦と道を誤ったと後悔する夫婦。
どちらも結ばれなければ、どっちになるかわからない
だけど、恋のうちに相手が後悔させない人かどうか
見極める力を今のうちに身につけておきたい。
一人ではどうしようもない時がある。
いじめられている同級生がいたら助けたいのに。
どうしても理解できない問題があっても、
担当の教師が嫌なやつだったらプライドの方が勝つ。
慣れた職場で『初めての壁』にぶつかった。
次のターゲットは自分になる。
あんな教師に馬鹿にされたくない。
今更聞けない『初めての壁』には『無知』と思える。
「どうすればいいの?」
誰でもいいからその問いの一言に
「どうしたの?」と応答してくれる人が
近くにいればそれ以上の幸せはない。
もし応答してくれる人がいないなら、
友達でも家族でも『誰か』そういう人を見つけるべき
もしかしたら小説などの本に答えが書いてあるかも。
諦めて泣き寝入りしないように
心を完全に病む前に誰かに助けを求めよう。
「お前はどこに行ってもいじめられる」
初めて付き合った彼氏に別れたときに言われた。
それ以前もそれ以降も、
確かにどんな場所に属しても馴染めなかった。
私が「こういう人間だ」と必死にアピールしても
逆の「冷たい人間」のレッテルを貼られる。
あの人の言ったことは当たっている。
認めたくないけど、当てはまっている。
だから、今の職場でも爪弾きにされたりして
泣くことは何度でもあった。
辞めたいと思うことも無数にあった。
でも、私が必死に仕事を打ち込むことで
気を配ったり、
ホウレンソウをきちんとすることを積み重ねて
今は宝物のような人脈を得ることができた。
「自分はここにいていいんだ」
初めてそう思えることができた。
私は今の生活が幸せだと思う。
普通に笑い合える。
普通に任せられる。
普通に働けることはこういうことなんだとわかった。
今までの自分の経験に感謝して
現在やこれからの人脈という宝物を大切に
一日一日を噛み締めていこうと改めて思った。
クリスマスの夜に僕がいなくても寂しくないように
と言って彼が私にプレゼントしてくれたのは
モスグリーンのキャンドルだった。
深緑といえば私が好きな色。
なぜなら、彼がいつも身につけるモスグリーンの
星型のピアスの色だから。
あのピアスを見るたび揺れるたび
私は彼の優しさの象徴がキラキラしてるように
心が落ち着き、また前向きになれる。