ケンカして君の心が私から離れていく
「行かないで」
と叫んでも君は振り向くこともない
「君の代わりなんていない」
あの時そう言っていれば
ずっと君はそばにいてくれたの?
私は君だけは手放したくなかったよ
私がいる「現在地」から「目的地」に着くまで
どのくらいの距離があるだろう。
ここから果てしなく遠い「目的地」のその先も
いつまでもこの青い空が続くとは限らないと思う。
今のような穏やかな青い空のように平坦な道も
あの頃のようなツラい土砂降りのでこぼこ道も
昔のように母と乗り越えた通り雨のような上り坂も
全てがこれからに置いてもあるだろう
だけど私の心は何があっても挫けない、
どこまでも続く青い空のようだと信じてる。
「目的地」に向かってひたすら歩くのみ。
誰も知らないこの道を一人でGoogleマップも使わずに
制服が可愛いからと選んだ
でも実際にその高校に入学できると
部活というまた別の世界を知って
青春というまた新たに一つ人を知る
衣替えをする度にまた一歩大人に近づいたとまた思う
好きなのに行動だけでは伝わらないから手紙を書いた
手紙なら文字が私の心を代わりに伝えてくれる
そう思っていた
でも彼は文字を読むのが苦手な障害を持っている
そんなことを知らない私は
彼に強く問い詰めてしまった
「どうして?なんで答えをくれないの?」
「文字がわからない」
始めはその一言の意味がわからなかった
見え透いた嘘をついていると思ったけど
ネットで調べたら
『ディスレクシア』と出てきた
その説明を読んでいくうちに私が止まらなかった
「なんでわかろうとしなかったんだろう」
親の転勤で引越しが決まった彼に声で訴えた
最後の登校で初めて知った引越しの件
誰もいないオレンジの空が似合う雲が浮かぶ空の下で
私は、声が枯れるまで謝罪の言葉を叫んだ
「ごめんね!わかってあげられなくて。でも!私は」
そして最後にかすれ始めた声に
「好きだよ」を言った
彼は大きな声で
「ありがとう」とだけ言った
その言葉に私は精一杯の笑顔で応えた
「初めまして」
いつも仕事で新しい仕事仲間が現れると
その初対面の方と会話する時に
その一言を言うのが苦手な時がある。
これからこの人と関係を築くのかと思うと
うまくやっていけるか心配になる。
そのネガティブな精神を180度変えてくれるのは
いつも相手の優しさだったり
人によっては私からのちょっとしたアプローチを含む
声かけだったりする。
何かの拍子で関係が悪くなることを恐れるより
いつも始まりは
深い意味を持たない「初めまして」から
一歩を踏み出すのが正しいのかもしれない