ネジが外れたウサギ

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10/2/2024, 3:59:34 AM

あんなに楽しみにしていた文化祭も

終盤に差し掛かって

空も夕暮れ空をみせてきた頃。


クオリティの高いお化け屋敷にしようと

昨日までクラスのみんなで粘った。


本番の今日は予想以上のお客さんが

『貞子の眠る部屋』に訪問してくれた。


貞子役のクラスの陰キャな沢奈さんは

誰よりもリアリティに演じていた。

まるで貞子が沢奈さんの中にいるみたいに。


最後のお客さんを楽しませてお化け屋敷は幕を閉じた


友達と片付けをしながら

お互いのメイクが残っているのを見て笑い合う。


そして、たそがれながら

今日がこの高校で一年目の文化祭だと思うと

それで急に涙が溢れた。


「なんで泣いてるの?」

「あのね、私。初めてだった、こんな楽しい文化祭。

また来年もこのメンバーでやりたいよね。

お化け屋敷ではなくてもいいから、

『唯一無二の思い出』をお客さんにも届けたい」


「できるよ。クラス替えでメンバーが変わっても、

思い出はいつだって新しい絵の具で塗り替えられる。

そして、また唯一無二の催し物が見つかるよ」

10/1/2024, 6:19:31 AM

毎日が同じことの繰り返しでも

昨日と今日では違う点がいくつもある。

ポジティブなこともマイナスなことも。


きっと明日も何かが変わる。

それがマイナスなことだとしても

楽しいことを記憶に刻めばいい。

不安という言葉ばかりに惑わされていたら

悪い方向に君の人生は進んでしまう。


だから、勇気を出して。

きっと明日も

誰かを笑わせられる君がいるよ。



そう教えてくれた、

多くの障害者に希望を与えている恩師は

私にとっての道標。

9/30/2024, 6:36:07 AM

誰もいない部屋の中で音のないピアノを弾く。

想像の音階でメロディを脳に描いていく。


なぜ音が出ないのか。

その理由はただ一つ。


この部屋の音は全てあのぬいぐるみが吸収してるから


あの謎のキャラクターのぬいぐるみの眼には

音を集約する力がある。


目覚めたらこの部屋にいた私には

ここにいる理由がわからない。


ただ一つ分かっているのは

あのぬいぐるみは

大好きな亡き恋人の形見だということ。

9/29/2024, 6:40:58 AM

最後のデートだと分かっていたなら

別れ際にキスをしたかった。

最後の思い出を最高にするには

君の好きなカフェラテの味のキスで幕を閉じるのが

最適だと思った。


だけど、もう遅いかな。


僕たちはもう会えない。

なぜなら、君は僕の知らない街に行ってしまったから。


もう一度会えたら言いたい。

「僕にとって一番最高の言葉をくれたのは君だよ。

『外見以上に貴方の心は男らしいよ』

なんて言ってくれた人は後にも先にもいないから」


9/28/2024, 4:14:45 AM

昨晩の私の苦しみは冬のような通り雨だったのか

一晩中、涙が枯れるほど泣きはらした

理由などない

突然だったから


心をえぐられている

そんな痛みであり、そんな切なさであった


それが翌朝のお日様の光で幻想的な虹が現れた

とても、勇気が湧いてくるほど前向きになった

理由などない

突然だったから


心に包帯を巻かれている

そんな温もりであり、そんな心地よさだった


あの通り雨は私の冬だった

もしかしたら、誰かの心に来たかもしれない

通り雨を降らせる雲は消すことはできないだろう

それでも、通り雨は必ず過ぎて春を呼んでくれる


私がそうであったように

君にもその時が来ると信じている

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