ネジが外れたウサギ

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9/18/2024, 5:20:41 AM

夢を見ていた。

目の前にさまざまな色のコスモスが

咲き乱れるお花畑が広がっている。

赤、白、黄色、ピンク、チョコレートコスモス。


その中のチョコレートコスモスを一輪摘み取ったら

花言葉のごとく、最愛の君との思い出がよみがえる。


初めて君を知ったあの日

君の気持ちを知ったあのLINE

放課後の教室でキスをした夕暮れ

私の何気ない一言から始まった大げんか

お互いの「ごめんね」が「愛してる」に変わった日


もう戻らないのが思い出だとしたら

私はこのチョコレートコスモスをしおりにして

恋愛小説の本に忍ばせることにしよう

その小説の名は『傲慢と善良』


9/17/2024, 6:17:13 AM

最近、眠れない日が続いてる。

そのせいで頭が働かず

人生なんかどうでも良くなって涙ばかり出る。


それでも周りの人には迷惑をかけたくなくて

職場では「いつも通り」の自分を演じ

家では「ためになる言葉」を求め本を読み漁る


昨日の夜。

私は訳もわからずベッドの中で泣いた。

涙が止まらなかった。

外では夜の空が大粒の涙を流して共に泣いてくれた。


「誰かが見守ってくれてる」

そう思いたかった。

夜の空にいる誰かが私の気持ちをくんで、泣いてる。

そう思ったら少し楽になった。


翌朝。

空は快晴で仕事に行く私を励ましてくれた。

今日も頑張ろう。

数日後の休みのために。

9/16/2024, 6:12:56 AM

「おはよー。元気にしてる?」

いつも、君のその一言LINEから一日が始まる。

それから

「私は疲れてる」「俺もバテてる」

そんなネガティブな発言を繰り返しながらも

最後は

「今度、映画見に行こうよ」

「いいけど。俺、ゲーセン行きたい」

そんな風に次に会う約束を結ぶ。


電話する余裕がなくても君と話していたい

そんなときに便利なのがLINE


絵文字なしの君からのLINEは

絵文字を多用する女友達のLINEより

なぜかスマホの向こう側の君の表情を想像してしまう

9/15/2024, 6:24:53 AM

最後の晩餐を最高に美味しいと思えるように

私は少しでもやり残したことをやり遂げたいと思う


数知れない幸福と

数知れない後悔が

反比例していく自分の人生の中で

どうやったら幸福の方が増えるのかと

毎日悩んでいた


ネットで検索しても本を読んでも誰かに聞いても

答えなど見つからない

それを持っていたのは自分だった


全く後悔しない生き方なんて難しいけど

不幸ばかりが人生ではないと

引きこもりから立ち直ってわかった


誰も手を差し伸べてくれない社会の中で

ただ唯一励みになるのは

やっぱり稼いだお金と疲れを癒す趣味と話せる友達


最後の晩餐を今まで以上に美味しいと思えるには

まだ無理

でも幸福と後悔の反比例の値が逆になるように

今日もさまざまなことに立ち向かう

9/14/2024, 6:04:23 AM

インスタグラムで見つけた夜明け前の海の写真

一度でいいから行ってみたくて

親に「連れて行って」とおねだりをした

しかし結局その願いは叶わず

夜明け前の海の写真は

見知らぬ異世界の絵のように見えた



その写真にまつわる海について知りたくて

意を決してその写真のアカウントにDMを送った


すると


「この海は私の生まれ故郷なんです。
今は都内に住んでいますが、今度の日曜日にそちらへ帰る予定があるので、一緒に行きませんか?」


と言ってきてくれた



そしてそのアカウントの怜奈と日曜日に落ち合った

「初めまして」

その声はどこか聞き覚えのある声だった

でも、怜奈さんの顔からは面影が見つからない

「は、初めまして」と私も言った

「もしかして」そう言いながら

怜奈さんは私の顔をうかがった


「あなたは、あの保育園にいた澪ちゃん?」

「え?」

「あの、覚えてませんか?
私が他の園児にからかれていた時助けてくれたのを」

「まさか、玲花ちゃん?」

彼女は「覚えててくれた」と言って泣き出してしまった

「えっ、あっ。あの泣かないで」

と私は焦ったが玲花は「大丈夫」と言って笑った

「ひとつ聞いていい?」

「何?」

「『生まれ故郷』って言ってたけど、
私たちがいた保育園はあの海の近くではないよ」

「私はあの海の近くの病院で生まれてから
母は体調がすぐれなくて
澪ちゃんのいる県の伯父の家に引き取られたの」

「そうだったんだ」

「うん。先日、産んでくれた母が病で亡くなったの。
それで思い出に夜明け前に見たあの海を撮った。
夜明け前には理由があって」


彼女は理由についてこう述べた


「亡き母が私の父にプロポーズされたのが夜明け前のあの海だったから」


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