あなたがいたから
あの曲を聴けた
あなたがいたから
あの曲な生まれた
あなたがいたから
前を進めた
あなたがいたから
後ろを向かなくなった
あなたがいたから
夢を叶えられた
あなたがいたから
側に花がおかれた
お題『あなたがいたから』
傘をブンブンと振り回す
一本多めに持った二本の傘
下校時間に雨が降り
気になるあの子が傘を忘れる
そんな奇跡みたいな出来事を願って
母からの怪訝な顔をスルーしてここまで来た
なんとなく周りの目も冷たい気がする
雨が降らないかなと軽い足取りで登校した
お題『相合傘』
未来が見える力
サラリーマンの男性が手に入れた
彼は伴侶を作りたくて
その力を手に入れ駆使した
しかしその女性に裏切られ
悲しみの果てに彼岸の向こうへ走っていった
小さな少年が手に入れた
彼は宇宙飛行士になりたくて
その力を手に入れ駆使した
無事将来の夢を叶え
青い地球を見ることができた
しかし突如現れた隕石に衝突し
後悔の末に彼岸の向こうへ飛ばされていった
一人の少女が目の前に立つ
未来が見える力
一瞥した後握り拳でそれをぶん殴った
その力は鏡のように粉々になり砕け散った
少女は何もなかったかのようにその場から立ち去る
それから70後
彼女は望む未来を手に入れていた
お題『未来』
一年前
僕は変な夢を見た
辺りにあるビルが壊れて
道路はたくさんヒビが入ってて
都会のポイ捨てみたいに死体が転がっている
遠くからは緑色の煙が立ち上ってて
それを唖然と見ている僕
変な夢だなって起きた時に思ったんだ
だけど夢をすぐ忘れる僕が
その夢だけはずっと覚えていた
頭の片隅にこびりつくように
ふとした瞬間に思い出していた
まさかそれが
伏線だとは思わないじゃないか
お題『一年前』
辞書みたいな分厚い本
コンビニに売ってそうな本
美術品として保管されている本
君の好きな本は?
え、僕?
そうだな
世界史の本が好きかな
なんでかって
うーんそうだな
人間って愚かだなってわかるから
そう言った彼の顔は
ニタニタと口が裂けながら笑っていた
お題『好きな本』