ふうり

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6/4/2024, 10:23:34 AM

目が覚めたら見知らぬ天井

真っ白い天井に所々黒いシミがある

少し眩しい明かりが部屋を照らす

体を起こすと木製のテーブルがあって

紙とペンが置いてある

その紙にはなにも書かれておらず

出口のドアも窓もない

紙を裏返しても何も書かれておらず

無意識にペンを取って紙に書こうとした

あれ?

………

胸から既視感が湧き上がる

それはまるで噴火した火山のようだった

不安が恐怖が絶望が込み上げてくる

いまは

なんかいめ?

お題『狭い部屋』

6/3/2024, 10:57:18 AM

「ごめんね」

彼ははっきりとそう言った

日没の太陽が彼の横顔を照らす

よく言ったと言っているかのように

日没の太陽が私の横顔を照らす

お前には無理だと言っているかのように

彼は一瞥し背中を向けて歩いていく

嫌だと口に出せぬまま

ただただ震える手を伸ばした

貴方のために着飾ったこの服も

貴方のために痩せたこの体も

貴方のために覚えた料理も

全て無駄だった

結局彼はあの子の元に行く

りんごのように可愛くて ひ弱で 

そんな彼女に彼は惚れてしまった

あーあ

そのりんごに毒が詰まっていて

人かじりしただけで彼が逃げてくれたら

私の元に帰ってきてくれるのかな?

お題『失恋』

6/2/2024, 12:31:33 PM

正直に言った

君のことを

君が大嫌いで

君に消えてほしくて

君を誰よりも愛している

あーあ

これで嫌われちゃうな

バイバイ

そして僕は

ゆくべき所へ一歩踏み出した

お題『正直』

6/1/2024, 12:50:22 PM

ざーざーと

窓の外から雨の音がする

テレビの天気予報はいつも雨で

例年よりも早い梅雨だった

忘れもしない6月1日

もう6月かと世間はため息を吐いた

あの日

あの日から

この雨は止まなくなった

お題『梅雨』

5/31/2024, 2:22:00 PM

無垢な顔でこっちを見るな

だってそうだろう?

いつも俺が悪者だ

お前のその体躯で

お前のその眼差しで

全て俺が悪者になる

いーな

お前はそれで許されて

だから俺は

お前を…お前を

あの世界に落としたんだ

暗闇も見えない

底の底へ

お題『無垢』

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