うきうきで、家の戸棚から茶葉を取り出す。

箱を少し開け、中の匂いを嗅ぐ。

友達に合うだろうと、笑みを浮かべ、軽いステップをしながら廊下を歩く。

それを、後ろから使用人が温かい目で見守っていた。

お題『紅茶の香り』

愛の言葉で君と笑い合う

合いの言葉で君と話し始める

哀の言葉で君とお別れする

会いの言葉で君と再会する

お題『愛言葉』

ねぇ、沢海君。風真君大丈夫かな？

あいつなら大丈夫だろ

うん　じゃあ迎えに行こっか

二人の少年が、大切な友を迎えに走る。

お題『友達』

後ろで、刃物がぶつかりある音が聞こえる。

背を向け、僕は走っていた。

あの人を置いて、逃げていた。

あの人が行けと言ったけど、行きたくない。

やっぱり、あの人には生きてほしい。

あの人は死ぬつもりだ

でも、あの人が託してくれたこの気持ちを、無下にしたくない。

行かないで　逝かないで

優花さん

お題『行かないで』

目の前が眩しい

目を開くと、そこは普段と変わらない町が広がっていた。

さっきまでの漆黒の世界が、夢かのようにどこまで青い空が続いていた。

ふと、携帯の着信音が聞こえてくる。

画面を見ると、雪から電話が来ていた。

日常に帰ってきたのだと、ほんの少し涙腺が緩くなる。

あの世界がなんなのかという疑問を持ちながら、電話に出た。

お題『どこまでも続く青い空』