宿題紛失丸

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12/10/2025, 1:51:04 PM

ぬくもりの記憶

ハロウィンだろう。幼少期の写真を見返した中に強烈な黄緑。ベロア生地でこの色を好んで着る幼少期など、記憶にない。

ベロア生地なのだ。まず量産されるコスチュームに(子供のハロウィン用なら尚更)使われる物ではない。

母はかつて手芸部だったと言っていた。そこまで熱心ではないと言いつつ、部活対抗リレーにウエディングドレスで走ったという話を教えてくれた。

あのころの10月末は寒かった。小さい私は、おそらく色味を合わせるために染められたインナーも着ていた。

レース生地と針金で出来た羽。「トリックオアトリート」の「ト」を言いかけて絶妙な顔をしてるけど、それはティンカーベルの仮装だった。

母の背を越した。
母の新しいPCは私がセットアップをした。

受け入れ難い母の発言に、反論ではなく無視を選ぶようになった。

それでも母は
ストーブを付けるように。とか、
カレーはちゃんと温めた?とか。

記憶ではない。まだ記憶ではない。
しかし、いつか記憶になってしまう。

その時私は、そのぬくもりを認識するだろう。

12/10/2025, 1:24:15 PM

Fellow.

単語帳には仲間と載っている。右隣から不正解を笑い飛ばす声がやってくる。

デジタルで勉強しているから。ほら、ここには特別と書いてあるでしょ?

スマホを見せようとしたのは私。それを汲み取った隣人は椅子ごと身を寄せて、ぐいぐいと壁ぎわに追いやってくる。

まあまあ、似たようなもんだとまた笑う。

「仲間、仲間といったら特別てきな。そんなに負けて悔しいの〜??」


たかが単語テストの、たかが2点差で有頂天になっているやつが、どうしてそんなアバウトに言葉を括るのだ!



私にはとてもできない。あなたを仲間と思う、けれど特別とも想うこれは、ひとつの単語には括れない。

2点差は確かに大きかった。言葉少なに文句で返すのだって、悔しいから。絶対そう。

オレンジの蛍光でなぞってやった。忘れないように。
仲間なのだ。あと3ヶ月だけ。



「とっくに覚えてるっての」
覗き込まないで。そろそろ押しつぶされそう。