#エイプリルフール
ある日___、
放課後の教室での出来事でした。
「好きです。付き合って下さい。」
そういうのは、幼なじみの好きな人だ。
僕は、その現場を見て、
涙が溢れそうだった。
これで僕の恋は終わるのだ___。
幸せになってね___。
僕がそう思った次の瞬間だった。
「ごめんなさい。私、好きな人がいるんです。」
彼女はそう言う。
僕は驚き過ぎて、耳を疑った。
自分のほっぺを軽くつねる。
「痛い!」
ってことは…夢なんかじゃない。
僕は不思議で不思議で頭が混乱した。
「っ…そうだよね。
てかさ、今日はエイプリルフールじゃん?
だから好きってのは嘘だよ!!笑」
告白相手の彼はそう言う。
僕は、何を言っているんだ。
と、怒りが込上げる。
冗談でも、
好きな子に対してそんな事を言って欲しくなかったからだ。
そう言うと、彼は何も言わず悲しげな顔で教室を後にした。
何故か彼女は悲しげな顔から、何か決心したような顔つきになったのを僕は見逃さなかった。
彼が見えなくなったのを確認し、忘れ物を取りに教室へと入った。
すると___。
君……○○君…。
彼女が僕の名前を呼んでいる。
彼女は、僕に話があると、伝える。
僕は、まさか…現場を見ていた事に気付かれていていたのだろうか。
僕はそう考えながら恐る恐ると彼女の元へ寄る。
彼女は、緊張げにしている。
ここは…早く謝らないとな。
見ていた僕が悪いし…
僕の友達とかは前告白現場をガン見していた。
でも好きな子の告白現場を見てしまうと申し訳なさと悲しさでいっぱいになるものだ。
○○ちゃん、さっきは見てしまってごめんなさい。
彼女は不思議そうに言う。
「あー別に大丈夫だよ!!○○君は忘れ物を取りに来た時にこんな状況に出くわしてしまったんだもんね。
確かにここだと見えてしまう場所だからねぇ。」
彼女はそう言う。
僕は、彼女への言葉に少しホッとした次の瞬間だった。
「でも"○○君は私の前の教室だよね、?"」
僕はその言葉にゾクッとする。
「前の教室から見えたとしても忘れ物を取ったらすぐに帰れば良かったのでは?」
確かに彼女の言う通りだ。
僕は申し訳なさでいっぱいだった。
次の瞬間、また耳を疑う時が起きた。
「じゃ…じゃあさ、明後日休みだから一緒にどこかに行かない…?」
彼女はそう言う。
僕は嬉しくて思わず……
「喜んで……!!」
と言う。
ハッ…流石に返事が早すぎたか、?
そう思っていると、
彼女は……
「やった!」
と笑顔で喜んでいる。
まさにその笑顔は美少女。
いや、天使だ。
あぁ……
神様、どうか僕の恋を応援して下さい────。
#幸せに
今日はクリスマス当日だ。
辺りは人で賑わっている。
中には、
家族で買い物に来ている。
微笑んだり笑いあったり。
そんな和やかな雰囲気。
他には、
友達同士でざわざわとしている。
みんな楽しそうに笑いあっている。
ましてや恋人同士。
手を繋いでいる。
時々顔を見合せて笑っている。
その恋人同士の人に対し、
「はぁ…羨ましいなー」
「俺もあんな風に幸せになりたいな。」
って、
昔の俺(高校時代)ならそう思っているだろう。
でも歳を重ねるごとに色々と気付く事もある。
それは___。
家族との何気ない日常……だ。
朝起きて家族みんなに
「おはよう」
と言うと家族みんなも
「おはよう〜!!」
と返してくれる。
ご飯を食べる時だって。
「いただきます。」
「ご飯、美味しい!」
と言えば、母はニコニコしながら
「それは良かった〜!」
って言う。
学校に行く時や帰ってきた時も。
「行ってきます」
と言えば、
「行ってらっしゃい」
「ただいま」
と言えば、
「おかえり」
と笑顔で返してくれる。
寝る時だってそうだ。
「もう寝るね、おやすみ、また明日」
と言えば、
「おやすみ〜、はよ寝なさいよ〜!」
「おやすみー!」
だなんて微笑みながらみんな返事をしてくれる。
そんな、
なにげない日常が幸せだった事に日に日に気付くのだ。
この幸せな時間、空間、
なにげない日常を、
俺は、
"これからも大切にしていこう"と思った────。
#何げないふり
同じ学校で私の気になっている彼は、
"何げないふり"をよくする。
彼が浮かない顔や困っている顔をしていると、
私達は、
「大丈夫~?」
「どうかした…?」
と声を掛けるが、
彼は、
「大丈夫」
「へーき」
なんて言う。
それは本当の本心なのだろうか。といつも思う。
そこで何日前か彼の弟に聞いた話を思い出した。
彼は、1番上の長男なのだ。
長男だから、弟達の頼れる兄にならないと。
長男だから、しっかりしないと…。
長男だから…
なんて思っているんじゃないか、と
彼の弟達から聞いた。
(昔、母が(彼)長男だから、弟達をよろしくね。
と彼に告げたらしい。)
そんな彼は、
人に頼る……では無く、頼られる側。
そんな感情を何年間もを背負ってきたから、
頼り方や、甘え方を知らないのであろう。
1人で悩んで、1人で悲しんで、1人で苦しんで…。
色々な事を抱え込んでいるのかもしれない。
そんな毎日を
皆に気付かれないよう、
平気なフリをして生きていくことが当たり前になったのだろうか。
そんな彼が当たり前の如く、
心配で心配で仕方がなかった。
何度も彼に手を差し伸べても
頼り方など知らないのであろうから、
どう頼ればいいのか分からないせいで、
全て1人で全て抱え込んでしまう___。
でもそんな彼は、
困っている時、悲しい時、辛い時。
それをすぐさまに気付いてくれて、
いつも私を助けてくれた。
だから今度は___
私が君を助ける番だ────。
#ハッピーエンド
私の友達は、私の幼なじみに恋を抱いているため、
私はその友達の恋を応援している…が、
ここだけの話、実は私も幼なじみの彼の事が好きだ。
私はこの気持ちを抑えて、笑顔で応援している。
だって、応援すると友達に言ったから。
たまにちゃんと笑顔で応援できているだろうか…??
そう思う理由は、
……2人が仲良くしている所を見ると少し妬いてしまう事があるからだ…。
こんな自分が嫌だ……。
でも、友達が彼といる事で嬉しそうに笑っている姿を見ると頑張って欲しい…と思う。
そんなあやふやな気持ちだ。
そんな友達はある日、彼に告白をすると緊張げに私に伝えてくる。
私は、笑顔で頑張ってね!!と告げる。
私は、本当に2人がそういう関係になったら、
心の底から幸せを祈れるだろうか…。
でも、彼が幸せになってくれれば私はそれでいい。
私は、涙目になりながらも思う。
これで、ハッピーエンドで終わるんだ。
そう考えているうちに、友達は彼に告白をしに行く。
私は何とも言えない感情で友達の帰りを待っている。
すると___。
友達は、泣きながら私の元へ来た。
友達によると、彼には好きな子がいると言われたらしい。
私は、何とも言えない気持ちになった。
友達がフラれてしまったという悲しさと、
また彼と話せるかもというほんの嬉しさでいっぱいいっぱいだった。
こんな最低な私が嫌で仕方なかった。
そんな今の私には、
友達が泣き止むまで隣にいてあげる事しか出来なかった。
友達は、
応援してくれてありがとう、今はなるべく1人にさせて欲しい、ごめんね。と伝えて来た。
友達が行った数分後、幼なじみが私の方へ向かってきた。
彼は私に話があると、
緊張げに伝えて来た。
私はこれからどうなるの___。
#見つめられると
それはある日、私と最近仲の良い先輩が放課後、
一緒にカフェに来た時___。
どこからか私に対して視線を感じる。
その視線の先を一瞬チラッと見ると、
先輩が微笑みながらこちらを見つめている。
どうしたのだろう……?と
私は疑問を抱きながらも、
大好きなサンドイッチを口いっぱいに頬張る。
サンドイッチを食べている最中、
またチラッと先輩を見る。
そこで、
私と目が合った瞬間、
先輩は嬉しそうに微笑んでいる。
微笑みを浮かばせた後、
私を見る目線はとても"優しい眼差し"になった。
そんな先輩の目つきにドキッとした事は、
ここだけの話だ────。