目覚めたら、水の上に浮かんでいた

焦ってバタつく足は浅い地面を蹴った

服は濡れない、不思議なプールは

孤独で、静かで、悲しい

ガラスの壁から見る景色は

どこまで行っても白一色

目覚めた果てに見つけたのは

誰かの大事な心だった

――サメの言うことにゃ、

透明

溶けた雪はもう戻ることもできない

焦がれた熱は冷めることを知らない

過ぎた思いは馳せることしかできない

未来の温かさは期待することしかできない

繰り返される4月1日

何かが少し変わるだけ

心は今も変わり続ける

人を、世代を変えて

――サメの言うことにゃ、

終わり、また初まる

あの日見つけたあの景色

あれは何かとあれこれ考え

今だ夢に出ては懐かしむ

名前も場所も何も不明

誰かを前に赤な後ろ

昔からずっと思い出せない

それをもう一度見てみたい

その気持ちだけ残った記憶

――サメの言うことにゃ、

星

人間は忘れる生き物だ

悪い記憶を除いてなんでも忘れられる

思い出すだけで怒り心頭になる思い出も

一生残る汚点となる

嫌なことも頭痛のする記憶も

恋人よりも家族よりも寄り添う相手

弔う気持ちと一緒に抱いて

深い眠りに落ちて

――サメの言うことにゃ、

願いが1つ叶うならば

また失敗した

倒れたキャンパスを見て嘆く

手から滴る色の雫が

涙のように落ちていく

失敗作は燃やして忘れてしまった

道具もまた集め直し

モップ片手にアトリエを綺麗にして

深くため息をついた

――サメの言うことにゃ、

嗚呼