桜が舞う季節

冷たい冬は終わりを告げ

暖かな光が窓から差し込み

カーテンに邪魔される

気分は爽快のまま

陽気な匂いを一身に受けて

暖かさにぼうっとしていれば

新たな出会いが見えた

――サメの言うことにゃ、

ひらり

扉を叩かれた

開けたら何も無かった

窓を叩かれた

開けたら空気が入った

箱を叩かれた

開けても何も入ってない

心を叩かれた

空っぽな心を、

――サメの言うことにゃ、

誰かしら？

白いペンキで塗りつぶした

太陽が出て赤く焼けた

雨が降って青く濡れた

風が吹いて色が無くなった

夜になって黒く染った

嵐が来てぐちゃぐちゃになった

朝が登って照らしたら

緑になっていた

――サメの言うことにゃ、

芽吹きのとき

手袋に手を入れた

足りないから、おしりに敷いた

何も出来ないから、結局手を出した

そしてまた、どこかに隠した

耐えられないから布団に潜った

温いカイロがとても暖かい

気づけば寝入り入ってしまって

また夜の寒さに晒される

――サメの言うことにゃ、

あの日の温もり

食べちゃいたいぐらい可愛いから

色んな調味料を用意したんだ

でも結局使うことは無かった

調理されたのはこっちだったから

究極の美味を求めても

結局落ち着くのはいつもの味

素材の味を生かしたまま

捕食されるのが弱肉強食

――サメの言うことにゃ、

cute!