まわる円盤に光を当てて

別の光の劇場を見た

小さな箱から思い出を取りだし

懐かしむための用意をした

ガラス越しの素晴らしさが

永遠の命を与えてくれる

死にゆくまでの刹那が

幕切れる前の開場となる

――サメの言うことにゃ、

記録

新しい靴を履いた

新品の匂いが気分を高めた

鞄に地図を入れた

無事に帰れるために

帽子を深く被った

前が見えなくて転びそう

今日はいい天気だった

モールの洞窟へと向かうには、

――サメの言うことにゃ、

さぁ冒険だ

花を一本だけ貰った

花瓶には花が三本になった

次の日一本枯れた

また新しい花を貰った

花瓶に水を注いだ

花は二本だけ残っていた

花に日光を浴びせて

もう何本か数えなくなった

――サメの言うことにゃ、

一輪の花

新たな友達を連れて冒険に出た

みんな笑顔で帰ってきた

誰かに想いを綴った

もう離れることはなくなった

目に見えない何かから身を守る

塩が足りなかった

色んな形が存在して、色んな物語がある

これからも、増えていくのだろう

――サメの言うことにゃ、

魔法

あの日見た虹の橋は

煙の上がる日だった

乱反射する世界の虹は

煌めく絶望のワルツ

一緒に見た最後の虹は

満点の青空だった

一人で見る二重の虹は

きっと誰かの架け橋

――サメの言うことにゃ、

君と見た虹