君、現実逃避は必要だよ。間違いない。断言出来る。
現実のしがらみ全てを忘れ去れる行為。
夢中になって貪ることでしか得られない安息。
己の安寧。
邪魔されない楽園。
神にだってなれる場所。
ただただ自分を満足させるための狭く深い世界。
それでしか得られない満足感がある。充足感がある。
嗚呼、現実逃避万歳!!
これで私はまた、明日を生きるだけの気力を得た!!
君は今、どこで何をしているのだろうか。
そう思いはしたけれど、明確な相手は思いつかなかった。昔の友人だろうか、近所で見かけていた犬猫かもしれない。
まぁなんであれ、満足のいく生を送れてるといいな。
物憂げな空だ、と雲ばかりで薄暗い空を見て思った。
前日の予報通り雨が降っている。
雨の中出かけるのは少々面倒くさいが、雨を見ることはむしろ好きだ。
土砂降りを除いて、雨粒が傘に当たる音や振動は心地いい。車のライトに照らされて浮かび上がる水滴はライトアップみたいで綺麗だし、窓についた水滴はいつもよりものや色を大きく見せてくれる。
喧騒のない静かな世界に浸れることのなんと贅沢なこと!
自然の脅威は当然恐ろしいが、それ以上に恩恵を与えてくれていると思う。
周りをよくよく観てみると、小さな命がそこかしこにいる。
植物、昆虫、動物と大きく括れてしまう、でもひとつひとつそこにある命として、生を全うしている存在がそこかしこに蠢いている。
ちっぽけかもしれない、でもそれぞれたったひとつしかない命。この命をどうするか。あの命をどうするか。
そんな権利、人間にありはしないのだけど。
【love you】とだけ書かれた紙を拾った。
端っこが破れていたから、当てはまりそうな主語をいくつか見繕って、ダイヤルカレンダーみたいに気分でカスタマイズできるようにしてみた。
今日もカレンダーは、誰かから僕への愛を示している。
…後ろに【too】も付けてみようかな。