"絆"。2011年の今年の漢字に選ばれ、「人と人との強いつながり」という意味で広く使われる漢字である。
しかし調べてみると、"絆"という漢字は、古くは馬や犬、鷹などの家畜を逃げないように立木などにつないでおくための「綱」や「縄」のことであり、元々は動物を束縛する道具を意味していたものが、転じて人間関係における「離れがたい結びつき」や「逃れられない縁」を指すようになったという。
つまり、元々は束縛の意味を持つ、ネガティヴな言葉なのである。
誤用が定着し、本来の意味とは異なる用法で広まることは珍しいことではない。現在で使われているポジティヴな意味の"絆"は、"結びつき"という意味だけが一人歩きした結果なのかもしれない。或いは、その「束縛じみた縁」を「非常に良いもの」として見出した業の深い人間の仕業か。
今後とも誤用や人間の業によって、言葉の意味が葉脈のように広がっていくのかもしれない。
たまには目覚ましを掛けずに思う存分寝てみたい。
そう思って寝たのに結局同じ時間に目が覚める。
…いっそ朝活を始めてもいいかもなぁ。
大好きな君に伝えていれば
今頃私が隣にいたかな
【ひなまつり】
ーー灯りをつけましょ。お花をあげましょ。
そんな声と共に、笛と太鼓の音色が聞こえる。
目を開くと、上座に1組の男女が澄ました顔で並んでいるのが見えた。女の近くにはよく似た顔の、しかし服装はいくらか簡素な女が控えている。
…ああ、結婚式か。目出度いことだ。
漠然と理解したものの、なぜ自分がここにいるのか、さっぱりわからない。渡された酒を一口飲む。なかなか美味しい。
2人の後ろにある金屏風で、風に揺られた植物の影が揺れている。酒に弱いのかたらふく飲んだのか、赤い顔をした壮年の男が楽しそうに笑っている。みんなが笑っている。笑って、笑って、笑ってーー
ーー暗転。
パチリと目を開くと、私は着物を着ていた。このために卸した一等品だという少しどころじゃない重たい着物を羽織って、ティアラのような飾りを頭に着けて、渡された扇子を持って、旦那様になるひとの横に座る。
宴が始まる。目出度い日だ。
目出度い日を、春の陽気に包まれて迎えられた。
嬉しい。嬉しい。うれしいな。
あれ、でも私、ちゃんと笑えてるのかしら。
少し遠くの下座で、誰かが目を開いた。
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「まつり」って祭り以外にもありますよね。
たった一つの希望?
自分が生きてることじゃないかな。