仕事を終えて主人と食卓を囲み
私の部屋で他愛のない話をして
ほんの少しのじゃれあいをして
休みにはどこかに出かけて外食をして
夜になれば音楽を聴きながら眠りにつく
お題:これからも、ずっと
斜陽が
名残惜しげに世界を染めてゆく
宵の紫を引き連れて
千切れ行く月を引き連れて
何もかもが死んでゆくような
そんな静謐さを世界に撒き散らして
水平線の彼方へ消えてゆく
私だけがまるで世界の全てに拒まれたように
ぐらつく足元で帰路に着く
まだあの未練がましい橙が
瞼の裏を離れない
お題:沈む夕日
覚悟を問われているのか
あるいは値踏みをされているのか
試されているのだろうか
暗く泥んで、澱んだような目を覗き込めば
貴方が口角をふっと上げて
挑発するように笑う
何もかも捨ててこちらへ堕ちておいで、と声もなく
誘うように 私を見つめる
全てを引き換えに飛び込みたくなるような夜
私は目を閉じて ミルクティーの舌触りに逃げ込んだ
お題:君の目を見つめると
星が好きだ
星についている名前が好きだ
星座が好きだ
その星座たる所以を聞くのが好きだ
糠星という言葉が好きだ
きっと一生実物を目にすることはないだろうけど
その言葉に想いを馳せるのが好きだ
プラネタリウムが好きだ
作り物の星でも私は好きだ
その中でポラリスを探すのが好きだ
そのための柄杓星がそもそも見つからないけれど
私は私のポラリスをずっと探している
絶対に変わることのない道標を探している
星の下行く人間はきっとみんな迷子なんだろう
みんなポラリスが見つからないまま
「正解」よりも「感じたままに」道をいくんだろう
私だけがポラリスをまだ探している
紛れてしまう糠星なんてない空なのに
たった一つの星が いつまでも見つからない
お題:星空の下で
君は私に好きだとは言わない
私が好きだと伝えると、少しだけ口角を上げて
「知ってる。」とだけ伝えてくれる
私は知ってる
貴方には今、誰も好きな人がいないんだ
だから、手近にある私の温もりを手放せない
君は孤独が嫌いな、幼い少年なんだ
いずれはこの手を振り解いて どこかへ行ってしまう
お題:それでいい