8/3/2024, 10:24:11 AM
「目が覚めるまでに」 #3
君が眠ってしまったのはいつだっただろう。
君が喋らなくなって数十年。
僕は何年経っても君一筋で、君との恋愛しか知らない。
「ねぇ、もう目を覚ましてくれても、いいんじゃない?」
僕の言葉に君の返事はない。
君の寝息しか聞こえない。
「……早く起きてよ」
いつまでも待っているから。
8/3/2024, 5:41:24 AM
「病室」#2
ここに来たのはいつぶりだろうか…。
しんしんと降る雪はあの頃と何一つ変わらない。
変わったのは君がいないことだけだ。
君は「私のことは忘れて幸せに生きて」と最後にそう言った。
でも、僕に幸せが来ることはもう2度とないだろう。
君といた時間が、僕にとっては何よりも幸せだったから。
ここに来ると、君とまた会えるのではないか、そんな期待を胸にいてしまう。もう会うことはできないと頭では分かっているのに…。
この淡い雪が、毎年この時期に降ること、それが僕の幸せだ。
8/2/2024, 8:05:41 AM
「明日、もし晴れたら」#1
「明日、もし晴れたら」と
僕は何度も願う。
君と会えるかもしれないから。
ちょうちんが辺りを灯す中、りんご飴に映る浴衣姿の輝く君に…。
君にとってはなんてことない、ただの平凡な1日になるかもしれない。
でも、僕にとっては一生忘れられない日になるんだ。
多くのことを望むつもりはない。君にはいつもその純粋無垢な笑顔でいて欲しいから。
だけど、頭で分かっていてもそう行動ができない。
もう少し、もう少しだけ……と。
君には嫌われてしまうかもしれない。
でも、だけど…少しでも長く僕は君と一緒にいたいんだ…。
お願いだから、空も僕も雨が降らないでいて……。