「病室」#2
ここに来たのはいつぶりだろうか…。
しんしんと降る雪はあの頃と何一つ変わらない。
変わったのは君がいないことだけだ。
君は「私のことは忘れて幸せに生きて」と最後にそう言った。
でも、僕に幸せが来ることはもう2度とないだろう。
君といた時間が、僕にとっては何よりも幸せだったから。
ここに来ると、君とまた会えるのではないか、そんな期待を胸にいてしまう。もう会うことはできないと頭では分かっているのに…。
この淡い雪が、毎年この時期に降ること、それが僕の幸せだ。
8/3/2024, 5:41:24 AM